接続
お/ご+一段動詞ます形+する/します/いたす/いたします
お/ご+五段動詞ます形+する/します/いたす/いたします
ご+サ変動詞語幹+する/します/いたす/いたします
意味
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解説
「自分の行為について、その行為が向かう先の人物を立てて述べたり、相手に対して丁重に述べる謙譲表現です。原則として和語には「お」、漢語には「ご」が付きます。ただし多少の例外もあります。
この文型を使うには、行為が<向かう先>の人物がはっきり存在していなければいけません。「乗車する」「延期する」のようにその人だけで完結するような、<向かう先>があまり感じられない動詞には「お/ご~する」は使えません。
※「お/ご~する」は謙譲語Ⅰですが、「お/ご~いたす」は「謙譲語Ⅰ」兼「謙譲語Ⅱ」として働きます。
※可能形にする場合は「する」「いたす」を「できる」に代えます。
お/ご~する
お/ご~します
お/ご~いたす
お/ご~いたします
例文
(1) いらっしゃいませ。お席にご案内します。 ▶
欢迎光临。我带您去座位。
Welcome. Let me guide you to your seat.
(2) 荷物をお預かりします。 ▶
我给您保管行李。
May I take care of your luggage for you?
(3) 16時頃に折り返しお電話します。 ▶
16点左右给您回电话。
I will call you back around 4:00 PM.
(4) こちらで確認してから、後ほどご連絡致します。 ▶
在这边确认后,稍后再联系您。
I will confirm here and contact you later.
(5) 最新情報はホームページ上で随時お伝えいたします。 ▶
最新信息将随时在官网上发布。
The latest information will be provided on our website as needed.
(6) 未成年の方のご来店はお断りいたします。 ▶
谢绝未成年人光临本店。
We do not allow minors to enter.
(7) この話の続きは、次回お話しいたします。 ▶
欲知后事如何,请听下回分解。
We will continue this story in the next session.
(8) 自転車を少しお借りしてもいいですか。 ▶
可以借一下自行车吗?
May I borrow your bicycle for a short time?
(9) ご冥福をお祈りします。 ▶
愿在天之灵可以安息。
May he/she rest in peace.
(10) お願い致します。 ▶
拜托了。
Please.
(11) 荷物をお持ちいたしましょうか。 ▶
我帮您拿行李吧。
Shall I carry your luggage for you?
(12) 駅までお送りします。 ▶
送您到车站。
I will take you to the station.
備考
尊敬語
・お/ご~くださる/ください
・お/ご~です
・お/ご~なさる/なさいます
・お/ご~になる/になります
・お/ご~になれる/になれます(可能)
・~ていらっしゃる/ていらっしゃいます/ておいでになる/ておいでになります
・~れる/られる/される(尊敬)
・~させてくださる/させてください
謙譲語Ⅰ・Ⅱ
・お/ご~する/します/致す/致します
・お/ご~頂く/頂きます(相手の行為に対する感謝)
・お/ご~頂けませんか/願えませんか(婉曲的に相手に行為を求める)
・~て頂けますか/て頂けませんか(婉曲的に相手に行為を求める)
・お/ご~申し上げる/申し上げます(伝達、依頼、祝い、謝罪…)
・~させていただく/させていただきます(自分の行為の許可を請う)
・~させてやって頂けませんか(自分の近い第三者に物事をさせることを相手にお願いする)
・~て頂けるとありがたい/て頂けると幸いです(相手がそれをしてくれたら非常に嬉しい)
・~ておる/ております(「~ている」の謙譲語)
丁寧語
・~です/~ます
・~てもよろしいですか/てもよろしいでしょうか(婉曲的に問い掛け、お願いする)
・~ございます(「~です」「~あります」の丁寧形)
コメント
コメント一覧 (4件)
お世話になっております。
こちら謙譲語の「お/ご~する」が、尊敬語の「お/ご~くださる/ください」と合わせた形で「お/ご~してください」とあるようですが、これって正しい言い方でしょうか?
例えば、「お客様がお見えになったら、会議室にご案内してください」(←「ご案内してください」の部分)
↑これはある教科書にあった練習問題ですが、実際に使われているところも聞いたことがあります。
文法として間違いないでしょうか?教えてください。
お願いいたします。
>Hollyさん
「お客様がお見えになったら、会議室にご案内してください」
この「ご案内してください」は、謙譲語「ご案内する」+依頼「てください」という構成ではないですね。自分の動作を相手に依頼するのは不可能です。依頼「案内してください」が基本で、この「案内」に尊敬語「お」をつけたものと考えられます。そうすると相手の動作「案内する」に対する尊敬表現になり、その動作を依頼する表現になります。こちらが正しい理解でしょう。
「お客様がお見えになったら、(Aさんはお客様を)会議室にご案内してください」
案内するのはAさんですから、Aさんが話し手より目上の人だったら「ご案内」と尊敬語を使うのは大丈夫です。でも「~してください」は目上にはあまり使えない表現ですから少し矛盾が感じられますけど… 文法として間違っているわけではありません。十分使えると思います。目上に対する丁寧な依頼として「お願いします」がありますから、「ご案内お願いします」といえばもっと良いかなと思いました。
詳しくご説明いただき、ありがとうございました。
上の例は、話者がAさんの上司で、もうすぐ迎えるお客さんに対し敬意を表す言葉を使おうとしている、というふうに勝手に想像しました。そうなると、話者はAさんと同一グループの人間となり、「自分の行為」とみなして考えることもできますね。しかし、本当は案内するのは「自分(話者)」ではないので、依頼の言い方で「ご案内してください」を使うことになったのでしょうか。
ありがとうございました。
Hollyさん
確かに私も考えました。同じグループだから自分たちの行動を謙譲したのではないか、ですよね。
その解釈だったら「(あなたは私と一緒に)ご案内してください」という言い方が可能ですが、この言い方は… うーん。
どうしても「ご案内してください」は相手が自分に案内することを依頼する表現に見えますので、やっぱり変に見えますね。