令和6年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(13)解説

令和6年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(13)解説

(13)「そうです」の用法

 「~そうだ」は<伝聞>と<推測>の意味があります。

 (1) 彼は仕事をやめるそうだ。 <伝聞>
 (2) 雪が降りそうだ。     <推測>

 各選択肢がこのどちらかを見ていくと…

 1 状況が変わった後がどうなるかに関する未来の<推測>
 2 状況が変わった後がどうなるかに関する未来の<推測>
 3 未来の<推測>ではなく、意味的には<可能>に近い
 4 状況が変わった後がどうなるかに関する未来の<推測>
 5 状況が変わった後がどうなるかに関する未来の<推測>

 一応全部<推測>なんですが、選択肢1、2、4、5は状況が刻一刻と変わっている中、将来的にどのように変化するだろうかというタイプの推測です。例えば選択肢1は何年も履いていて、昨日も今日も履いていて、履けば靴下は消耗するからいつか穴が開くだろうという推測です。ポイントは状況の変化。変化した後の状況がどうであるかを推測しているわけです。

 しかし選択肢3は違います。ホールの大きさを見てどのくらいの観客が入るかを推測しています。ホールの大きさは変化しないので、将来的にどのように変化するだろうかというタイプの推測とは異なるものです。この種の「~そうだ」は往々にして可能の意味が現れます。(選択肢3は中国語にすると可能の形態素「能」が現れます)

 選択肢3だけ可能を表せるということは、「~ことができる」に言い換えられるということですね。

 1 ✕穴が開くことができます
 2 ✕机の本が崩れ落ちることができます
 3 〇観客がたくさん入ることができます
 4 ✕火がもう消えることができます
 5 ✕雨が降り出すことができます

 答えは3です。




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