令和7年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題3解説
問1 仮定条件と一般条件
(1) 明日雨が降ったら、中止します。 <仮定条件>
(2) 0度になると、水は凍ります。 <一般条件>
(1)のように主節の事態「中止する」がまだ実現していない条件を<仮定条件>と言います。一方、(2)はそれと違います。0度になると凍るというのが自然の法則であって、0度になれば「凍る」という事態は必ず実現します。こういう条件文は<一般条件>とか<恒常的条件>と呼ばれています。この区別を知っていれば問題は解けます。
選択肢1
角を曲がればコンビニがあるのは普遍の事実なので<一般条件>
主節の「盛り上がる」はまだ起きていない事態だから<仮定条件>
この選択肢は左右が逆。
選択肢2
春になったら桜が満開になるのは普遍の事実なので<一般条件>
「問題が解決する」という事態はまだ実現していないから<仮定条件>
この選択肢は左右が逆。
選択肢3
主節の「買う」という事態はまだ実現していないので<仮定条件>
気温が上がると水位が上がるのは普遍の事実なので<一般条件>
この選択肢が答えです。
選択肢4
「映画に行く」という事態はまだ実現していないので<仮定条件>
「中止する」という事態はまだ実現していないので<仮定条件>
答えは3です。
問2 従属節と主節の事態の順序
「明日雨が降ったら、中止します」みたいな文では、従属節の「明日雨が降る」という事態が先に発生して、その後に「中止する」という主節の事態が発生します。ぱっと思い浮かぶ条件文はだいたい従属節の事態が起きてから主節の事態が起きるんですが、実は反対のものもあります。それがナラ節です。
(1) 料理を作るなら、まず準備してください。
主節の事態「準備する」のあとに従属節の事態「料理を作る」が実現します。
答えは4です。
問3 命令・依頼表現と従属節
選択肢1
(1)✕外がうるさいと、静かにしてください。
「うるさい」という状態を表す語を従属節に置いて「と」で条件節を作り、主節に依頼表現「~てください」を付けたのが(1)です。これは非文だから、この選択肢が答え。
選択肢2
(2) 外がうるさかったら、窓を閉めなさい。
(3) 雨が降ったら、窓を閉めなさい。
従属節の述語の性質にかかわらないと言っているので、とりあえずは状態性の語「うるさい」と動作性の語「降る」、どっちも用いて「たら」で条件節を作りました。そして主節に「~なさい」と命令表現を置きました。この2つの文はどちらも正しいので、この選択肢は適当です。
選択肢3
(4) 外がうるさければ、窓を閉めなさい。
状態性の述語「うるさい」でバ節を作り、主節に命令表現を置きました。この文は正しいので、この選択肢は適当です。
選択肢4
(5) 外がうるさいなら、窓を閉めなさい。
(6) 彼が行くなら、あなたも行きなさい。
従属節の述語の性質にかかわらないと言っているので、状態性の語「うるさい」と動作性の語「行く」、どっちも用いて「なら」で条件節を作りました。そして主節に「~なさい」と命令表現を置きました。この2つの文はどちらも正しいので、この選択肢は適当です。
答えは1です。
問4 事実条件
(1) カラオケに行ったら、ストレス発散できた。 <事実条件>
(2) 辛い物を食べたら、お腹が痛くなった。 <事実条件>
(1)(2)のように、主節の事態が実現済みである条件文を<事実条件>と言います。主節の事態がすでに実現しているかどうか見てみましょう。
選択肢1
「虫が入る」という事態はまだ実現していないので<仮定条件>
選択肢2
「熱が下がる」という事態はすでに実現しているので<事実条件>
これが答え。
選択肢3
仕事が早く終わらなかったのでゆっくりできなかった、というのが事実です。
でも、「仕事がもっと早く終わる」という事態が仮に実現したとすれば「ゆっくりできた」わけなんです。もう実現したことはひっくり返すことはできません。だからこの条件文は、すでにある事実に反する条件文ということで<反事実条件>と言います。
選択肢4
「時間が減る」という事態はまだ実現していないので仮定条件
答えは2です。
問5 いろんな条件表現
選択肢1
(1) 決定的な脅し文句を言わない限りは、罪にならない。
(1)にあるように「限りは」の前に否定形を置くことはできますが…
この文は従属節「決定的な脅し文句を言わない」という範囲において、主節の事態「罪にならない」が成立するという意味を表します。主節と従属節の記述が逆なのでこの選択肢は間違い。
選択肢2
(2) 怪我でもしたら大変だ。 <名詞+でもしたら>
(3) 銀行が潰れでもしたら大変だ。 <マス形+でもしたら>
「~でもしたら」は終止形に接続できません。名詞か動詞マス形だけです。この選択肢は間違い。
選択肢3
(4) 彼がいないことには、たぶんできない。
「~ないことには」は未然形(ナイ形)に接続できます。この表現は、従属節の事態「彼がいない」が実現すれば主節の事態も実現することを表します。この選択肢の後ろの説明が間違い。この選択肢はダメ。
選択肢4
(5) 会えるものなら、また彼に会ってみたい。
「~ものなら」は動詞可能形に接続して使います。そして、確かに実現可能性が低いけど、もしも実現したら~みたいな意味を表します。この選択肢が答え。
答えは4です。

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