【N2文法】~ものなら/もんなら

接続

 動可能形+ものなら/もんなら
 動詞辞書形+ものなら/もんなら

意味

 如果能…的话

解説

 実現する可能性が非常に低い物事が実現することを強く願う話者の願望や期待を表します。
 多くの場合、動詞可能形に接続します。
 また、例文(7)(8)のように相手を煽るような表現としても使えます。

 口語では「もんなら」となります。

例文

(1) 寝れるもんなら一生寝ていたい。
     如果能睡的话,我想睡一辈子。
     If I could sleep, I would want to sleep for a lifetime.
(2) 初恋の相手に会えるものなら会ってみたい。
     如果能见到初恋的对象的话想见一面。
     If I could meet my first love, I would like to meet them.
(3) 手伝えるものなら手伝ってあげたいが、あいにく手が空いていない。
     要是能帮忙的话,我想帮忙,可是不巧,我没空。
     If I could help, I would want to assist, but unfortunately, I’m not available.
(4) あの辺りの高級住宅街に住めるものなら一度は住んでみたい。
     要是能住在那附近的高级住宅街的话,真想住一次。
     If I could live in that upscale residential area, I would want to experience it at least once.
(5) 昨日のライブ、行けるものなら行きたかったが大雨で行けなかった。
     昨天的演唱会,如果能去的话很想去,但是因为下大雨没能去。
     I wanted to attend yesterday’s live concert, if it were possible, but I couldn’t go due to heavy rain.
(6) 仕事休めるもんなら休みたい。
     如果可以休息的话,我想休息。
     If I could take a day off from work, I would want to rest.
(7) どうぞ、できるもんならしてみろ。
     请,如果可以,就试试看。
     Go ahead, if you can do it, give it a try.
(8) やれるもんならやってみろ。
     你能干的话就干干看。
     If you can do it, then go ahead and do it.

備考

 【N2文法】~(よ)うものなら/(よ)うもんなら




コメント

コメント一覧 (2件)

  • (1) 寝れるもんなら一生寝ていたい。→「寝る」は2グループ(下一段活用)の動詞ですから、「寝られる」が正しいです。

    (3) 手伝えるものなら手伝ってあげたいが、あいにく手が空いていない。
        →「ものなら」はもっと現実には無理そうなことを言うので、ちょっと違和感があります。また、口語なら
        「手伝えたら手伝ってあげたいんだけど、ちょっと今手が空いていないんだ。」などと言う方が自然です。

    (5) 昨日のライブ、行けるものなら行きたかったが大雨で行けなかった。
        →これも、「行く」ということが絶対にできないようなことではないので、
        昨日のライブ、行きたかったんだけれど(けど)、大雨で行けなかったんだ。という方が自然です。 

    (7) どうぞ、できるもんならしてみろ。
        →どうぞ、という丁寧な言葉と、「してみろ」という乱暴な命令形の組み合わせにちょっと違和感があります。
        また、「してみろ」ではなく、乱暴な言い方では「やってみろ」の方が普通です。
        ということで、(8)の「やれるもんならやってみろ。」が全体に違和感のない言い方で同じ意味です。
         

    • >匿名さん
      コメントありがとうございます。各指摘に対してお答えします。

      (1)はら抜き言葉についてのご指摘ですね。ら抜き言葉は文法上誤りとされておりますが、ご存知の通り一般的に使われてきている表現です。「~られる」は受身、尊敬、可能等を同時に表すため、ら抜き言葉はそれらの差別化の一助となっており、言葉の変化としては至極当然のものだと捉えております。また、全国的に見ると「ら」を入れるほうが少数派となっておりますので、現実の使用実態とこれらの要因を踏まえて「寝れる」と表記しております。

      (3)「ものなら」は実現する可能性が非常に低い物事に対して用いる文法です。実現困難かどうかは話者の感覚によりますので、実現困難だと感じていればこのような表現も選択可能です。ご指摘された(5)についても同様です。勝手な都合で”自然な表現”の範囲をむやみに狭めることは学習者の学習を大きく阻害します。

      (7)についてですが、敬語や丁寧語は相手を敬う時に用いる一方で、喧嘩など相手を罵る場面でも使用されることはご存知でしょう。丁寧な「どうぞ」とぞんざいな「~してみろ」を組み合わせることで、逆に乱暴な言い方を際立たせている表現です。(7)(8)は意味としては同じですが、ニュアンスが全く異なります。中国語訳もそれぞれ違うのにお気づきでしょうか。同じ意味なら(8)を使ったほうがいいというのは極論です。

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