文法・音声対策講座が7月28日(日)からはじまります。残りお席わずか

平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題12解説

目次

平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題12解説

問1 ジェンダー

 生物学的な男女の違いは性別社会的・文化的な男女の違いジェンダーだそうです。

 文章中ではジェンダーについて述べているので、答えは  社会文化的  。
 答えは1です。

問2 感動詞や終助詞にジェンダーが現れる場合

 選択肢の感動詞と終助詞に着目して、ジェンダーが現れているものを探します。

選択肢1

 感動詞「ちょっと」も終助詞「よ」も中性的です。

選択肢2

 感動詞「あ」は中性的です。
 「あたし」にはジェンダーが現れていますが、これは感動詞でも終助詞でもありません。
 最後の「の」は終助詞ではなく、所有を表す格助詞です。所有を表しています。

選択肢3

 感動詞「ええと」も終助詞「っけ」も中性的。

選択肢4

 感動詞「おい」と終助詞「ぞ」にジェンダーが現れています。
 これらは主に男性が使う表現です。

 よって答えは4です。

問3 女房詞

 女房詞とは、13世紀ごろから見られる、宮廷女性が使い始めた言葉のことです。もとの語に接頭辞「お」を足した「おでん」「おひや」「おなか」などが特徴的です。また元の語の語頭一拍に「もじ」を付加した「かもじ(髪)」「しゃもじ(杓子)」などもあり、これはもじ言葉といったりもします。

 1 +ひや
 2 +でん
 3 しゃ+もじ
 4 さじ

 「お」や「もじ」が無いのは選択肢4だけ。
 答えは4です。

問4 てよだわ言葉

 てよだわ言葉とは、明治時代に発生した、文末に「てよ」「だわ」をつける女性語のことです。現代ではあまり用いられなくなりました。

選択肢1

 「よくってよ」は「いいですよ」「いいわよ」みたいな意味で許可を表します。
 「てよ」は断定表現として使えないようです。

選択肢2

 「これ食べてよ」のような言い方なら軽い命令表現ですが、これはてよだわ言葉ではありません。
 錯乱肢。

選択肢3

 「気分はどうですか?」に対する「よくってよ(いいですよ)」  → 現在時制
 「明日はどうですか?に対する「よくってよ(いいですよ)」   → 未来時制
 「昨日はどうでしたか?」に対する「よくってよ(よかったですよ)」 → 過去時制
 同じ「よくってよ」ですが時制が違います。形式上時制を区別しない、時制が違っても使えるみたい。これが答え。

選択肢4

 てよだわ言葉の「てよ⤴」は上昇調のイントネーションです。
 「これ食べてよ⤵」の「てよ」は下降調で言われることもありますが、これはてよだわ言葉ではありません。

 したがって答えは3です。

問5 役割語

 役割語とは、特定の人物像を想起させる言葉のことです。「わし」からは老人、「わたくし」からは気品のある女性をイメージできたりします。実際に使われていたものをステレオタイプ化した表現が多いですが、存在しないものや人以外の生き物にも用いられたりします。そのほとんどは実際の言語活動にはほとんど見られませんが、ドラマ、映画、小説、アニメなどにおいて、聞き手にその登場人物のイメージを一瞬で想起させ植え付けることができます。

選択肢1

 「ざんす」は江戸時代の遊女特有の表現です。現在では金持ち、上品ぶった人を表す役割語として使われています。スネ夫の母が代表的な例。
 社会階層に由来したものですが、地域方言に由来したものではありません。

選択肢2

 「あるよ」はステレオタイプな中国人を表現する際に用いられる役割語です。幕末から明治にかけての外国人居留地で自然発生したピジン日本語に由来するとされています。台湾人のみならず、中国人や西洋人も用いていたようです。
 国籍という社会階層に由来していますが、地域方言ではありません。

選択肢3

 「じゃ」は今では老人を表す役割語として用いられています。
 起源は江戸時代の上方語(京都・大阪の方言)で、江戸の上級武士や教養層が真似て話していたそう。
 もともと上方語ということで、これは地域方言由来。さらに特定の社会階層にも由来してます。これが答え。

選択肢4

 「たまえ」はそれなりの強制力を持った相手に対する命令表現で、目上から目下へ使う男言葉です。
 地域方言由来でも社会階層由来でもないはずですが、男性をイメージできるので役割語とは言えそう。

 答えは3です。




コメント

コメント一覧 (4件)

  • ところで、これは実際に出題されたことのある問題なんでしょうか?
    冗談きついです。
    「ぞ」という終助詞ぐらい、「がんばるぞ!」みたいに普通に女性でも使いますし、「おーい」は遠くの人を呼びかける時の掛け声として女性でも普通に使います。
    「たまえ」を男言葉なんて考える人は古語の知識がない人です。

    • >いぬ研究所さん
      お久しぶりですね!
      過去問お持ちでしょうか。この問題で提示されている例文は「がんばるぞ!」のように単純なものではありません。
      「たまえ」については自らお調べください。男性語です。
      大多数が認める共通認識をまとめるのが教科書、文法書でしょう。一部の例外があるだけでそれは間違いだと言い切っていると話は進まないのです。その考え方は全く学習者のためになりません。

  • 管理人さん

    問い5の選択肢4の解説についてです。
    役割語は話し手の人物像をイメージを連想させるようなものだと思うのですが、どうして男言葉は役割語ではないのでしょうか?
    男言葉を実際に使用している場面を思い浮かべると、その使用者は「男性」という特徴が現れると思うのですが、「たまえ」(男言葉)は役割語とは言わないのでしょうか?

  • >たきもとさん
    問題確認しました。
    「たまえ」も一応男性をイメージしやすいので役割語と言えそうです。解説に誤りがありましたので修正しました。ご指摘ありがとうございました!

コメントする

目次