フィラー(fillers)
フィラー(fillers)とは、「それを取り去っても伝達する文・談話の命題内容に変化を及ぼさない」(中島2011: 179)、あー、えー、まー、んー、うーん、このー、そのー、あのー、つまり、なんか…などの言語形式のことです。話し言葉には書き言葉に比べてフィラーがよく現れ、発話中の間を埋めたり、言いよどみを表したりする機能を持っています。中島(2011:194-195)はフィラーの機能として次の5つを挙げています。
1. | 発話境界の明示、発話の切り出し、話し手の発話権の維持、前の発話の補正の機能 |
2. | 発話中のポーズ(間)を埋めるためにフィラーでその間をつなぎ、次の発話の展開を整える間つなぎ語としての機能 |
3. | 話し手の心的態度の表出の機能 |
4. | 言いよどみの機能 |
5. | 発話開始と発話終了を示す機能 |
(1) これも一緒に持っていって。あ、これも。
(2) とにかく、あのー、こちらとしても、えー、時間が必要なんですよ。
(3) この性能で9万、まー、安くないね。
(4) ここまでやってもダメだなんて、そのー。(言いさし)
(5) えー、090-XXXXーXXXXです、はい。
参考文献
中島悦子(2011)『自然談話の文法―疑問表現・応答詞・あいづち・フィラー・無助詞』178-213頁.おうふう
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