シラバスデザイン
シラバスデザインとは、コースデザインで行われる計画の段階の一つで、学習項目の一覧(シラバス:syllabus)を作成することです。学習者に対して何を教えるかの「何を」の部分にあたる内容をまとめます。シラバスデザインのためにはニーズ調査、レディネス調査、目標言語調査などから得られた情報が必要です。
学習項目はたくさんありますが、あるコース内で教えられることは時間の問題から限られています。よってシラバスデザインでは学習項目を使用頻度、有用度などの観点から選別しなければいけません。全ての学習項目を扱うことは当然できませんが、その中でも最も学習者にとって価値が高いものを残します。学習項目は実際に教える順番に並んでる必要はなく一覧になっていれば大丈夫です。教えるべき順序の検討はカリキュラムデザインの段階で行います。
シラバスの分類
シラバスはその完成時期によって先行シラバスと後行シラバスに分けられます。
先行シラバス … 教育実施前に完成するシラバス
後行シラバス … 教育実施後に完成するシラバス
プロセスシラバス … 教育の実施状況にあわせて柔軟に変更されるシラバス
シラバスは言語の何に焦点を当てたかによってによって以下の種類に分けられます。
構造シラバス … 言語の形式に焦点を当てたシラバス
機能シラバス … 言語の機能に焦点を当てたシラバス
場面シラバス … 言語を使う場面に焦点を当てたシラバス
技能シラバス … 言語の技能(話す、聞く、書く、読む)に焦点を当てたシラバス
話題シラバス … コミュニケーションで現れる話題に焦点を当てたシラバス
課題シラバス … 言語を使って解決するタスクに焦点を当てたシラバス
複合シラバス … 上記いくつかのシラバスを複数組み合わせたシラバス
参考文献
小林ミナ(2019)『日本語教育 よくわかる教授法』34-39頁.アルク
佐々木泰子(2007)『ベーシック日本語教育』120-122頁.ひつじ書房
日本語教育学会(1991)『日本語教育機関におけるコース・デザイン』14-15頁.凡人社
田中望(1988)『日本語教育の方法―コース・デザインの実際』14-15,83-84頁.大修館書店
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