カリキュラムデザイン
カリキュラムデザイン(curriculum design)とは、コースデザインで行われる計画の段階の一つで、シラバスデザインで作ったシラバスをいつ、どのように教えるかを決めることです。カリキュラムデザインではコースの授業時間数を決定して、それに合わせてシラバスを扱う順序に配列し、どのような教授法で教えるのか、どのような教材・教具を使うのか、どのような教室活動を採用するのか、各授業を誰が担当するのか、学習者をどう評価するのかなどを決めます。
一般の日本語学校は入学してから卒業するまでを初級、中級、上級などのレベルに分け、それら全てにさらに第何週目のような時間の区分がなされています。カリキュラムデザインではこのようにコース全体をいくつかの段階に分けて、各時間にどの学習項目を扱うのかなどを検討します。シラバスの配列がされた後はそれをどのように教えるか、すなわち教授法や教室活動などを決め、それを実現するための教材、教具の選択も選定します。その他、学習者のクラス分けを行ったり、テストやその評価方法を検討したりと、あらゆることを決めるのがこのカリキュラムデザインの段階です。
シラバスが仮に素晴らしいものであったとしてもカリキュラムデザインが適切に行われなければ教育は期待する結果を生みません。また、カリキュラムデザインを適切に行うためはニーズ調査、レディネス調査、目標言語調査、シラバスデザインも適切に行われていなければいけません。
参考文献
佐々木泰子(2007)『ベーシック日本語教育』122-123頁.ひつじ書房
日本語教育学会(1991)『日本語教育機関におけるコース・デザイン』16-17,241-242頁.凡人社
田中望(1988)『日本語教育の方法―コース・デザインの実際』16,97-209頁.大修館書店
コメント