構造シラバス(structual syllabus)
構造シラバス(structual syllabus)とは、言語の「形式」に焦点を当てて作られたシラバスのことです。文型シラバスとも呼ばれます。ここでいう形式とは主に「~は~です」「~に~があります」「~は~ます」などの文型を指します。これらの文型に「私」「学生」「机」「本」「寝ます」といった代入できるような語彙を加えてシラバスを作ります。
は です。
に があります。
は ます。
構造シラバスは文型間の難易差が分かりやすく、易しいものから難しいものへと配列するのが比較的簡単です。日本語学校などでは0から基礎的なものを積み上げて徐々に難しいものへと移っていく教育を行うのが一般的なので構造シラバスとは親和性が高く、したがって多くの大規模な教育機関では構造シラバスが採用されています。
構造シラバスのデメリットは教室外の現実的な場面におけるコミュニケーションにただちに役立つとは限らないことです。学習の初期段階ではその役立たなさから学習者から不満が出るかもしれません。ただし、1年や2年くらいの学習期間があれば相当の効果を上げられるシラバスです。
参考文献
佐々木泰子(2007)『ベーシック日本語教育』120頁.ひつじ書房
田中望(1988)『日本語教育の方法―コース・デザインの実際』87-88頁.大修館書店
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