6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

内の関係とは?

内の関係

 名詞修飾節は名詞修飾節内の述語と被修飾名詞との間に関係があるかどうかで分類できます。関係があるものを内の関係、ないものを外の関係と言います。内の関係の例として次の例文を見てください。

名詞修飾節内の述語と
被修飾名詞の関係
(1) 猫を撫でている ガ格  … 人猫を撫でている
(2) 彼女が着ている ヲ格  … 彼女が服着ている
(3) 荷物を置いた部屋 ニ格  … 荷物を部屋置いた
(4) 昔遊んだプール デ格  … 昔プール遊んだ
(5) これから向かう空港 ヘ格ニ格  … これから空港向かう
(6) 泥棒が逃げていった カラ格  … 泥棒が窓から逃げていった
(7) 試験がある明日 Φ  … 明日Φ試験がある

 (1)における名詞修飾節内の述語「撫でている」と被修飾名詞「人」の間にはガ格の関係が認められます。すなわち述語「撫でている」の主体が「人」であり、「人が撫でている」と言い換えることができます。(2)は名詞修飾節内の述語「着ている」と被修飾名詞「服」の間にはヲ格の関係が認められ、「服を着ている」と言い換えられます。(3)の被修飾名詞「部屋」は名詞修飾節内の述語「置いた」の着点を表すので「部屋に置いた」、(4)の被修飾名詞「プール」は名詞修飾節内の述語「遊んだ」の動作場所なので「プールで遊んだ」と言えます。と、こんな具合に名詞修飾節内の述語と被修飾名詞との間に関係があるもの内の関係と言います。また、内の関係は関係節(relative clause)とも呼ばれます。

参考文献

 庵功雄(2001)『新しい日本語学入門―ことばのしくみを考える』222-223頁.スリーエーネットワーク
 日本語記述文法研究会(2008)『現代日本語文法6 第11部 複文』43-51頁.くろしお出版
 森山卓郎,渋谷勝己(2020)『明解日本語学辞典』87-88頁.三省堂




コメント

コメントする