内の関係
名詞修飾節は名詞修飾節内の述語と被修飾名詞との間に格関係があるかどうかで分類できます。格関係があるものを内の関係、ないものを外の関係と言います。内の関係の例として次の例文を見てください。
例 | 名詞修飾節内の述語と被修飾名詞の格関係 | ||
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(1) | 猫を撫でている人 | ガ格 | … 人が猫を撫でている |
(2) | 彼女が着ている服 | ヲ格 | … 彼女が服を着ている |
(3) | 荷物を置いた部屋 | ニ格 | … 荷物を部屋に置いた |
(4) | 昔遊んだプール | デ格 | … 昔プールで遊んだ |
(5) | これから向かう空港 | ヘ格/ニ格 | … これから空港へ向かう |
(6) | 泥棒が逃げていった窓 | カラ格 | … 泥棒が窓から逃げていった |
(7) | 試験がある明日 | Φ | … 明日Φ試験がある |
(1)における名詞修飾節内の述語「撫でている」と被修飾名詞「人」の間にはガ格の関係が認められます。すなわち述語「撫でている」の主体が「人」であり、「人が撫でている」と言い換えることができます。(2)は名詞修飾節内の述語「着ている」と被修飾名詞「服」の間にはヲ格の関係が認められ、「服を着ている」と言い換えられます。(3)の被修飾名詞「部屋」は名詞修飾節内の述語「置いた」の着点を表すので「部屋に置いた」、(4)の被修飾名詞「プール」は名詞修飾節内の述語「遊んだ」の動作場所なので「プールで遊んだ」と言えます。と、こんな具合に名詞修飾節内の述語と被修飾名詞との間に格関係があるものを内の関係と言います。また、内の関係は関係節(relative clause)とも呼ばれます。
参考文献
リンク
庵功雄(2001)『新しい日本語学入門―ことばのしくみを考える』222-223頁.スリーエーネットワーク
日本語記述文法研究会(2008)『現代日本語文法6 第11部 複文』43-51頁.くろしお出版
森山卓郎,渋谷勝己(2020)『明解日本語学辞典』87-88頁.三省堂
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