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名詞修飾節とは?

名詞修飾節(noun-modifying clause)

 名詞修飾節(noun-modifying clause)とは、名詞を修飾する従属節のことです。連体修飾節とも呼ばれます。名詞修飾語(連体修飾語)の位置に動詞述語、イ形容詞述語、ナ形容詞述語、名詞述語が成分や修飾成分を伴ったが置かれた場合、それが名詞修飾節となります。

名詞修飾節 被修飾名詞
(主名詞)
(1) 爪先がとがった
(2) 考え方がおもしろい
(3) 頭が変な 友達
(4) これが本物である 証拠

 (1)は述語「とがった」にガ格成分「爪先」がついて「爪先がとがった」を形成し、被修飾名詞「靴」を修飾しています。(2)も述語「おもしろい」がガ格成分「考え方」を伴ってとなり、「人」を修飾しています。名詞の前に様々な成分を置いて名詞を修飾することを名詞修飾と言い、特にで名詞修飾している(1)~(4)のような例を名詞修飾節と言います。名詞修飾にあたり、(3)のようにナ形容詞述語が名詞を修飾する場合、「な」や「である」などを介在して名詞を修飾します。(4)のように名詞述語が名詞を修飾する場合は「である」「の」などを介在して被修飾名詞を修飾します。

 (5) 彼女がもうすぐ逮捕されるという
 (6) アメリカ、イギリス、中国といった国が反対している。
 (7) 駅前で不審者がいるとの連絡があった。

 その他、名詞修飾表現と被修飾名詞の間に「という」「といった」などが介在することもあります。

 名詞修飾節は、被修飾名詞と関係があるかどうかで「内の関係」と「外の関係」に分類され、また、その機能によって「限定的名詞修飾節」と「非限定的名詞修飾節」に分けられます。

参考文献

 庵功雄(2001)『新しい日本語学入門―ことばのしくみを考える』,スリーエーネットワーク,222-223頁
 日本語記述文法研究会(2008)『現代日本語文法6 第11部 複文』,くろしお出版,43-51頁
 森山卓郎,渋谷勝己(2020)『明解日本語学辞典』三省堂.87-88頁




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