格助詞「が」の用法
主体
述語の主体を表します。述語の主体といっても本当にたくさんあります。
動きの主体
述語が動作、作用、変化などを表すとき、その主体を「が」で表します。
・後輩が失敗した。
后辈失败了。
My junior failed.
・私の携帯が無くなった。
我的手机不见了。
I lost my mobile phone.
・判定の結果、赤が勝ちました。
判定结果是红方获胜。
The result of the judgment is that red wins.
・雪が降る。
下雪了。
It’s snowing.
・猫が走っている。
猫在跑。
The cat is running.
・雨が雪に変わる。
雨变成了雪。
Rain is turning into snow.
・母が妹にプレゼントをあげる。 (授受の与え手:述語「あげる」の主体)
母亲给妹妹送了礼物。
Mother gives a present to my sister.
・妹が母にプレゼントをもらう。 (授受の受け手:述語「もらう」の主体)
妹妹收到了母亲的礼物。
My sister receives a present from my mother.
・母が弟に掃除をさせる。 (使役文の使役者:述語「させる」の主体)
母亲让弟弟打扫。
Mother makes my brother clean.
状態の主体
述語が状態性の語のとき、その状態の主体を表します。
・猫が1匹いる。
有一只猫。
There is one cat.
・風が冷たい。
风很冷。
The wind is cold.
・山が綺麗だ。
山很美。
The mountain is beautiful.
・壁が汚い。
墙很脏。
The wall is dirty.
I can read English.
・人が少ない。
人很少。
There are few people.
同定関係の主体
名詞述語文(コピュラ文)における同定関係の主体も「が」を使います。
・彼が山田です。
他是山田。
He is Yamada.
・あの人が責任者です。
那个人是负责人。
That person is the person in charge.
対象
感情や知覚を表す述語においてはその感情や知覚が向けられる対象を「が」で表します。願望を表す助動詞「~たい」や「ほしい」はその対象を通常「を」で表しますが、「が」で表されることもあります。
・私はロックが好きです。
我喜欢摇滚音乐。
I like rock music.
・私は毛虫が嫌いです。
我讨厌毛毛虫。
I dislike caterpillars.
・新しいスマホが欲しい。
我想要一部新手机。
I want a new smartphone.
・犬に嚙まれないかどうかが心配だ。
我担心被狗咬。
I’m worried about being bitten by a dog.
・あなたと話がしたい。
我想和你聊天。
I want to talk with you.
述語が主体の能力を表す場合、その能力が向けられる対象を「が」で表します。
・私は英語が話せる。
我会说英语。
I can speak English.
・私は英語が読める。
我会读英语。
I can read English.
・話が全然分かりません。
我完全听不懂。
I don’t understand at all.
・私はルービックキューブができます。
我会玩魔方。
I can solve a Rubik’s Cube.
述語に存在を表す「ある」「いる」などの動詞、数量的な多少を表す「多い」「少ない」「ない」などの形容詞が置かれるとき、その事物を所有する主体を「に」で表し、所有している対象を「が」で表します。
・彼には妹がいる。
他有一个妹妹。
He has a younger sister.
・私には大きな夢がある。
我有一个大梦想。
I have a big dream.
・この家にはベランダがない。
这个房子没有阳台。
This house doesn’t have a balcony.
・ここは緑が少ない。
这里的绿色很少。
There is little greenery here.
コメント
コメント一覧 (2件)
本記事内の
「英語が読める」の「が」は、状態の主体
「私は英語が話せる」の「が」は、対象の主体
となるのは、「私は」の有無が関係しているのですか?前者も「対象」だととらえてしまいそうです。明確な違いをご教示いただけましたら幸いです。
>xgさん
コメントありがとうございます!
確認しましたところ、「英語が読める」の「が」は対象を表すもので、記事内の例は誤りでした。
「私は英語が読める」において、「私」は述語「読める」という可能状態を有する主体で、「英語」は述語「読める」の対象です。
申し訳ございませんでした。何か重ねてご質問があればコメントください。