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令和7年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題3C解説

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令和7年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題3C解説

(11)連体詞

 連体詞とは、語形変化しないで、必ず後ろに名詞が来て修飾する語のことです。例えば「あらゆる」という語は、これは語形変化しませんし、文を作ってみると「あらゆる手段」「あらゆる人」などと必ず後ろに名詞が来ます。こうした形態統語的特徴を有するのが連体詞です。各選択肢の名詞修飾部を見て品詞を確認しましょう。

選択肢1

 「大らかな」は「性格」を修飾していますが… 「大らかだ。」で述語に置いて名詞を修飾しない使い方もあります。名詞を修飾しない使い方がある時点で連体詞ではないですね。「大らかさ」みたいに接辞をつけることもできます。「大らか」はナ形容詞でした。

選択肢2

 「細やかな」は「配慮」を修飾していますが、「細やかだ。」と述語に置いて名詞を修飾しない使い方もできます。「細やかさ」と接辞「さ」をつけることもできますね。これもナ形容詞でした。

選択肢3

 「単なる」は語形変化できません。「る」で終わっているから動詞のように見えますが、「単なります」とかマス形にできないということです。それに、「単なる失敗」「単なる知識」のように必ず名詞を修飾する語です。これが連体詞

選択肢4

 「連なる」は「連なります」「連ならない」のように活用できます。これは明らかに動詞。

 答えは3です。

(12)それだけで名詞修飾できない形容詞

 選択肢にイ形容詞が並んでいますね。イ形容詞が名詞を修飾するときは、普通はそのまま名詞を修飾できます。例えばこんな感じ。

 (1) 赤い月  <イ形容詞+名詞>
 (2) 暖かい日 <イ形容詞+名詞>
 (3) 遅い時間 <イ形容詞+名詞>

 しかし、一部のイ形容詞はそれができないんです。それが「多い」。次の写真は私の学生の作文です。「多い苦手なこと」と、イ形容詞「多い」が名詞句「苦手なこと」を修飾しているんですが、これは非文です。こういう間違い、本当に多いですよ。

 「多い」はほかのイ形容詞とは違って、それ単独で名詞を修飾するのが難しく、どうしても修飾したいなら「多くの+名詞」という形を取らなければいけません。これは教える側として本当に厄介です。

 1 多い山 → 多くの山
 2  高い山
 3  長い棒
 4  広い所

 だから答えは1です。

(13)内容の「の」

 「の」の意味を細かく見る問題ですね。問題文には、「の」には「所有者」「場所」「原因」「内容」などの用法があると書かれています。一つずつ見てみましょう。

 1 「意見」の所有者が「住民」
 2 「影響」の原因が「事故」
 3 「親戚」の場所が「大阪」
 4 「相談」の内容が「仕事」

 答えは4です。

(14)内の関係と外の関係

 名詞修飾表現における内の関係外の関係をおさらいしましょう。

 (1) 私が食べた[ケーキ]
    →[ケーキ]食べた

 「私が食べた」が「ケーキ」を修飾しているわけですが、この被修飾名詞「ケーキ」と名詞修飾節内の述語「食べた」の間にはヲ格の関係が認められます。したがって「ケーキ食べた」のように「を」を補って文を作ることができますね。このようなのを内の関係と呼びます。

 (2) 彼が帰ってきた[音]
    →[音]帰ってきた

 しかし(2)は、被修飾名詞「音」と名詞修飾節内の述語「帰ってきた」の間には何の格関係もないので文を作ることができないんです。これは内の関係に対して、外の関係と呼ばれています。

選択肢1

 この選択肢の内容は↑で説明した通りで全て正しいです。これが答え。

選択肢2

 外の関係は被修飾名詞と名詞修飾節内の述語の間に格関係を想定できません。内の関係はできます。何もかも逆。間違い。

選択肢3と4

 内の関係と外の関係は被修飾名詞と名詞修飾節内の述語との間にある格関係の話であって、「主述関係」というのが全く論外です。

 答えは1です。

(15)制限的修飾と非制限的修飾

 なんだか難しそうなことを言ってそうですが、大丈夫です。

 (1) 地域に住む猫を助けよう。     <限定的修飾
 (2) いま大きく注目されているYouTube <非限定的修飾

 例えば(1)の名詞修飾表現「地域に住む猫」は、「猫」という全体の中から「地域に住む」という条件に合った一部の範囲だけを取り出す<限定>の用法です。全体の中の一部を示すので、範囲が限定されているのが分かると思います。一方、(2)の名詞修飾表現「今大きく注目されているYouTube」は、「Youtube」という全体から一部を取り出しているのではなくて、「今大きく注目されている」で「YouTube」がどんなものであるかを<説明>しているわけです。これが非限定的修飾です。
 つまり修飾は<限定>と<説明>の2種類の使い方があるんですね。詳しくは「日本語の制限用法と非制限用法(限定的名詞修飾節と非限定的名詞修飾節の用法)」をご覧ください。

 では、「兵庫県にある姫路城」はいったいどっちの解釈がなされるでしょう?

 (3) 日本で最も大きな山である[富士山]
 (4) 日本一かっこいいと言われている[佐藤健]

 ↑の例文では、被修飾名詞に「富士山」や「佐藤健」という固有名詞を置いてみました。固有名詞とは、まさにこの世界に一つだけある固有の事物を指す名詞です。したがって固有名詞はその意味範囲がすでにかなり限定されています。すでに限定されているということは、限定的修飾によってさらに<限定>されにくいという性質があります。実際、(3)(4)の名詞修飾節「日本で最も大きな山である」は富士山の<説明>にあたりますし、「日本一かっこいいと言われている」も佐藤健の<説明>にあたります。これらは非制限的修飾です。

 つまり、被修飾名詞に固有名詞が使われていると、その名詞修飾部は基本的に非制限的修飾になるということ。「姫路城」は固有名詞だし、「兵庫県にある」も<説明>になっていますね。
 答えは4です。




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