6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

文化相対主義とは?

文化相対主義(cultural relativism)

 文化相対主義(cultural relativism)とは、自らが属している文化の価値基準を用いて他文化を評価・判断することなく、それぞれの文化に優劣はつけられないとする考え方のことです。一般に自文化中心主義の反対の概念として位置づけられています。

 人は生まれ育った文化圏で何が正しくて何が間違っているといった価値基準を学びます。この価値基準は一般にその文化圏で共有されているので、自文化の中で生活しているだけではこの価値基準に基づいた評価や判断で問題が起きることは特にありません。しかし、この価値基準を他文化にも当てはめようとすると自文化中心主義に陥ります。こうした考え方は差別の温床となっています。対する文化相対主義は、それぞれの文化はそれぞれの環境に適した形で形成されたものであり、そこに優劣はないと考えます。すなわち文化の違いを捉えるときに自文化の価値判断を挟まず、他文化を尊重・理解しようとすることであり、これは異文化理解の作法の一つです。

参考文献

 異文化間教育学会(2022)『異文化間教育事典』28頁.明石書店
 石井敏・久米昭元・遠山淳・平井一弘・松本茂・御堂岡潔(1997)『異文化コミュニケーション・ハンドブック』247頁.有斐閣





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