次回の毎日のんびり勉強会は1/22(木)の20:00~から

音素修復とは?(音韻修復)

音素修復(phonemic restoration)

 「音声波形の一部を切り取り、雑音で置換しても切り取られた部分の音声が修復されて聞こえる現象」(廣谷・筧 2017: 32)を音素修復(phonemic restoration)、音韻修復と言います。例えば、会話や音楽の一部分に雑音が重なって聞こえない部分が存在したとしても、聴収者は既有知識を利用したトップダウン処理によって聞こえなかった部分を推定して音素の修復を行うため、結果として特定の音に聞こえる現象を引き起こします。この音韻修復現象はカクテルパーティ効果に大きく寄与していると考えられています。

 次の音源を聞いてください。(音量注意)

 この音源は「しっぱいをしました」に現れる音素 /p/ の破裂部分の先頭から 70ms(0.07秒)を雑音に置換しています。/p/ は雑音になって実は完全に聞こえませんが、全体を通して聞くとちゃんと「しっぱい」に聞こえるはず。すなわち、聞こえないはずの /p/ を修復して聞こえているということです。

参考文献

 竹内京子・稲田朋晃(2023)『音響・音声学』135頁.メジカルビュー社
 廣谷定男・筧一彦(2017)「音声生成と知覚の仕組み」『聞くと話すの脳科学』32-33頁.コロナ社




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