ピア・ラーニング(peer learning)
ピア・ラーニングとは、「同じような立場の仲間(ピア)とともに支え合いながら、ともにかかわりをもち、知識やスキルを身につけていくこと」(中谷・伊藤 2013: 2)です。立場や地位がほぼ同等であるピアとともに学ぶことには教師という目上の存在からの教えとは異なるプロセスが含まれ、仲間同士でなければ成立しない学びの重要性が教育場面において認識され、ピアを学びのリソースとして位置づけた教育が実践されるようになってきています。
中谷・伊藤(2013: 3)は、一緒に学びあうパートナーであるピアがもつ特質として「互恵性」「対等性」「自発性」をあげています。
| 互恵性 | 指導者が学習者に対して一方的に惠みを与えるというのではなく、ピアのそれぞれがお互いに対して惠みを与え合う関係にあること |
|---|---|
| 対等性 | ピアが同じような立場の仲間だということ |
| 自発性 | 教師がイニシアティブをもって学習を導いていくような一方的な関係ではなく、自分たちで考えを出し合い、問題解決の過程を自分たちの力で進めていくような学びの側面 |
ピア・ラーニングの一種として、ピア・レスポンスやピア・リーディングなどがあります。
ピア・レスポンス(peer response)は、学習者がお互いの文章を読み合ってコメントし合い、お互いの作文をよりよくしていく作文活動のことです。
ピア・リーディング(peer reading)は、読解において、仮説を立てながら読み進めるという過程を他者と共有して一緒に読む読解活動のことです。提唱者でもある舘岡(2013: 190-191)によると、ピア・リーディングは「仲間の学習者との対話を媒介として、テキスト理解という課題そのものへの取り組みを深化させるとともに、自己理解、他者理解を深め、学習者自身が自律的な学び手となることを目指した活動」であり、他者と読むことで気づきが生まれるなど、一人で読むときとは異なる活動が見られたと報告しています。(ジグソー・リーディングは広義のピア・リーディングの一種)
参考文献
中谷素之・伊藤祟達(2013)「ピア・ラーニングとは」『ピア・ラーニング 学びあいの心理学』1-10頁.金子書房
舘岡洋子(2013)「日本語教育におけるピア・ラーニング」『ピア・ラーニング 学びあいの心理学』187-203頁.金子書房

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