慣用句(idiom)
慣用句(idiom)とは、結合した語と語がひとまとまりとして特定の意味を持つようになった言語形式のことです。「油」「を」「売る」が結合した言語形式「油を売る」などを指します。
(1) 油を売る
(2) 頭に血が上る
(3) 口を割る
(4) 虫の居所が悪い
慣用句は構成要素間の結びつきが非常に強いため、その結びつきを阻害するような操作ができません。例えば「油を売る」の「油」を類義語の「オイル」に変えると意味が分からなくなります。「売る」を「叩き売りする」にしても、語と語の間に「とても」を挿入してもダメです。
(5) 油を売る
(6) *オイルを売る
(7) *油を叩き売りする
(8) *油をとても売る
慣用句の意味はその構成要素の意味の総和から導くことができません。「油を売る」は「油」「を」「売る」のそれぞれの意味の総和から算出しえない「仕事を怠ける」という意味を持ち、特殊な意味を持つようになっています。

コメント
コメント一覧 (2件)
学習者と一緒に慣用句について勉強しているボランティアです。
「大きな顔をする」という慣用句があります。
例文は
「買って返すからいいでしょ」だって。自分が壊したのに、大きな顔して言わないでほしい。
大きな顔して、は助詞の「を」が省略されていますが、学習者には日常会話では助詞が省略される場合があります、という説明でよろしいでしょうか。
また、慣用句について効果的な学習、指導方法がありましたらご紹介ください。
>Chieさん
コメントありがとうございます! お答えします。
その説明はおおむね正しいです。話し言葉においては格助詞「が」「を」が省略されやすいですから、そのように説明すると良いと思います。「に」もたまに省略されることがありますが、それほど多くありません。それ以外の格助詞は普通省略されません。
慣用句は一語一語の意味とは関係なく、特殊な意味に変わるので、それを理解する過程で比喩が必要になることもありますし、文化的背景を理解しないとよくわからないものあったりしますよね。なのでちょっと… 身体部位を含む慣用句だったら身体動作を用いて視覚的にも理解できるように対応したり、文化的背景をあわせて説明したりして教えるといいのではないかと思いました。