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談話直示とは?

談話直示(discourse deixis)

 指示詞が談話の中の一部分を照応したり、場所や時間について用いられる直示表現が談話や文章の一部を指すとき、発話現場における言語的コンテクストを参照して解釈を一意に定めます。この種の直示は談話直示(discourse deixis)と呼ばれます。例えば(1)は言語的コンテクストの参照によって「その」が先行するAの発話「先生がアカハラで問題を起こした」を指していることが分かり、Bの発話の解釈がなされます。

 (1) A:先生がアカハラで問題起こしたらしいよ。
     B:その話、詳しく聞かせて。
 (2) A:そんな小さいこと気にしなくても。
     B:悩んでいるから相談したのに、その言い方はないんじゃない?
 (3) これから言うことは秘密ですよ。
 (4) は今後の見込みについてお話します。
 (5) あとの話は弁護士を通してください。

 談話は一種の空間として捉えられ、また発話は時間の流れに沿って展開することから、談話直示には「その」「この」などの場所を表す直示表現や「次」「あと」などの時間を表す直示表現が用いられます。

参考文献

 小泉保(2001)『入門 語用論研究―理論と応用―』5-32頁.研究社
 澤田淳(2020)「指示語用論」『はじめての語用論 ―基礎から応用まで』77-92頁.研究社
 林宅男(2002)「直示」『プラグマティックスの展開』33-43頁.勁草書房
 東森勲(2012)「意味のコンテクスト依存」『朝倉日英対照言語学シリーズ7 語用論』13-22頁.朝倉書店
 Fillmore, C. J. (1975) Santa Cruz Lectures on Deixis, 1971. Mimeo, In: Indiana University Linguistics Club.




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