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接周辞とは?

接周辞(circumifix)

 接周辞(circumifix)とは、語基の前後に現れ、語基を挟み込むように現れる接辞のことです。両面接辞、共接辞とも呼ばれます。日本語においては「お…する」「お…になる」などがありますが、それほど一般的ではないタイプの接辞です。

 (1) 話しする
 (2) 話しになる

 ちなみにインドネシアの友人に聞いたところ、インドネシア語には接周辞がありました。

 (1) kata(語) → per-kata-an(言葉)
 (2) cepat(速い) → ke-cepat-an(速度)
 (3) pandai(頭が良い) → ke-pandai-an(頭の良さ)

 (1)は接頭辞 per- と接尾辞 -an を、(2)(3)は接頭辞 ke- と接尾辞 -an をつけていますが、どちらか一方だけを付与した形は語にならず、どっちも一緒に付加してやっと語になれます。

 (4) ✕ per-kata
 (5) ✕ kata-an
 (6) ✕ ke-cepat
 (7) ✕ cepat-an
 (8) ✕ ke-pandai
 (9) ✕ pandai-an

参考文献

 漆原朗子(2016)『朝倉日英対照言語学シリーズ4 形態論』朝倉書店
 斎藤純男(2010)『言語学入門』61-63頁.三省堂
 斎藤純男,田口善久,西村義樹編(2015)『明解言語学辞典』133-134頁.三省堂
 リンゼイ J.ウェイリー,大堀壽夫ら訳(2006)『言語類型論入門-言語の普遍性と多様性』117-124頁.岩波書店




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