接尾辞とは？

接尾辞（suffix）

　接尾辞（suffix）とは、語基の後ろに現れる接辞のことです。接尾辞付与は基本的に品詞転換を引き起こしますが、「男性（名）」に対する「男性性（名）」、「私（名）」に対する「私たち（名）」、「可視（名）」に対する「可視化（名）」、friend（名）に対する friendship（名）など、接尾辞であっても例外的に品詞転換を引き起こさないものもあります。

　品詞を名詞に変えるものとして次のような接尾辞があります。

　（１）　重さ（名）　←　重い（イ）
　（２）　吐き気（名）　←　吐く（動）
　（３）　重要性（名）　←　重要（ナ）
　（４）　見える化（名）　←　見える（動）

　品詞を動詞に変えるものとして次のような接尾辞があります。

　（５）　欲しがる（動）　←　欲しい（イ）
　（６）　大人ぶる（動）　←　大人（名）
　（７）　春めく（動）　←　春（名）
　（８）　事故る（動）　←　事故（名）

　品詞をイ形容詞に変えるものとして次のような接尾辞があります。

　（９）　赤い（イ）　←　赤（名）
　（10）　子供っぽい（イ）　←　子供（名）
　（11）　男らしい（イ）　←　男（名）
　（12）　わざとらしい（イ）　←　わざと（副）

　品詞をナ形容詞に変えるものとして次のような接尾辞があります。

　（13）　悲しげ（ナ）　←　悲しい（イ）
　（14）　楽しそう（ナ）　←　楽しい（イ）
　（15）　効率的（ナ）　←　効率（名）

品詞を副詞に変えるものとして次のような接尾辞があります。

　（16）　立場上（副）　←　立場（名）
　（17）　お嬢様然（副）　←　お嬢様（名）

参考文献

　漆原朗子（2016）『朝倉日英対照言語学シリーズ４ 形態論』朝倉書店
　斎藤純男（2010）『言語学入門』61-63頁.三省堂
　斎藤純男,田口善久,西村義樹編（2015）『明解言語学辞典』133-134頁.三省堂
　リンゼイ J.ウェイリー,大堀壽夫ら訳（2006）『言語類型論入門－言語の普遍性と多様性』117-124頁.岩波書店