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言語変異(language variation)とは?

言語変異(language variation)

 それぞれの言語変種に見られる同じ意味を持つ言語形式に注目すると、一部共通しているものがあったり、また全く異なるものも見られます。例えば、否定を表す形式は東日本では「食べない」のように「~ない」が用いられる一方、西日本では「食べん」のように「~ん」が用いられます。逆接表現でいえば、東京方言では「~だが」や「~だけど」等を用いるのに対し、津軽方言では「~だばって」等を用いる点で異なります。語彙で言うと、東京方言で「髪(かみ)」と呼ばれるものは、津軽方言では「じゃんぼ」と呼ばれます。このように、それぞれの言語変種に見られる個々の具体的なことばの差異言語変異(language variation)、あるいはバリエーション(variation)と呼び、言語変種間で同じ意味を持ちながらも異なる言語形式を持つ要素を互いに言語変異の関係にあると言います。程度副詞「とても」のバリエーションで言うと、北海道では「なまら」、愛知では「でら」、佐賀では「がばい」などと地理的な言語変異もありますし、世代によっても「めっちゃ」「超」「ガチ」「エグい」などと社会的な言語変異もあります。

 (1) 食べない  <東日本>
 (2) 食べ   <西日本>

 一見して同じ意味で同じ言語形式のように見えても、音声的な部分まで考慮すれば差異があることもあります。例えば「私が~」などの助詞「が」は、地域によってはいわゆる鼻濁音で発音されることもあったりなかったりし、バリエーションが見られます。また、「水(みず)」は東京方言でも津軽方言でも共通しているように見えるかもしれませんが、東京方言は「みずが(低高高)」であるのに対し、津軽方言では「みずが(低低高)」でありアクセントが異なります。言語変異には文法・語彙・音声・語用などさまざまな領域で適用できるものなので、細かい部分まで見ればこれらも言語変異として扱われます。

参考文献

 木部暢子(2019)『明解方言学辞典』79頁.三省堂
 渋谷勝己・家入葉子・高田博行(2015)「歴史社会言語学の基礎知識」『歴史社会言語学入門-社会から読み解くことばの移り変わり』5-42頁.大修館書店




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