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ガ行音の鼻音化とは?
日本語の標準語(東京方言)では、[ɡ]軟口蓋破裂音が [ŋ]軟口蓋鼻音に交替することがあります。これをガ行の鼻音化と呼びます。ガ行鼻濁音は丸くて柔らかい音に聞こえることから美しい日本語とされていましたが、現代では徐々に衰退してきていています。西日本ではもともとあまり鼻音化しなかったり、関東、東北、北陸では鼻音化が保たれていたりと地域差も見られます。
語中・語尾は鼻音化する(語頭は鼻音化しない)
「学生」の「が」は鼻にかかった音で発音しませんが、「新潟」の「が」は鼻音化します。ガ行音の鼻音化は語頭に起きず、語中・語尾に起きやすいです。
(1) 新潟県 (にいがたけん)
(2) 鏡 (かがみ)
(3) ジョギング (じょぎんぐ)
語中・語尾のガ行音が鼻音化するということは、格助詞や接続助詞のガ行音も鼻音化するということ。それから絶対語中・語尾にくる連濁したガ行音ももちろん鼻音化します。
(4) 私が木村です。
(5) ここまで来たが、まだ道のりは長い。
(6) 笑い声 (わらいごえ)
※鼻音化してもしなくても意味は変わりません。
参考文献
森山卓郎,渋谷勝己(2020)『明解日本語学辞典』128頁.三省堂
コメント
コメント一覧 (2件)
素晴らしい記事の発信ありがとうございます。カタカナで表記される外来語は鼻音化しないとアナウンスの業界で学びましたが、日本語教育業界では違うのでしょうか? また人物の名前は時と場合による(強調する時としない時)だったかと。
ただ、言葉は時代とともに移り変わるので、いくらこうだと定めたところで言い切れない部分もありますね。
>ciaoさん
えーどうなんでしょう。ちょっと思ったのは、鼻音化は和語に起きてましたので、外来語には起きにくいのかもしれませんね。