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イ形容詞とは?(形容詞、第一形容詞)

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イ形容詞(i-adjectives)

 主に事物の性質、状態、属性を表し、名詞や名詞句を修飾する連体形で活用語尾に屈折接辞 /-i/ が現れる語イ形容詞と呼びます。学校文法における自立語で活用のある用言の一種です。例えば(1)~(3)の名詞「ところ」「人」「部屋」を修飾する「高い」「明るい」「寒い」はその活用語尾に /-i/ が現れているのでイ形容詞です。この名称は主に日本語教育で用いられていますが、日本語学では単に形容詞と呼ばれたり、第一形容詞と呼ぶこともあります。

 (1) 高ところ (taka-i)
 (2) 明る人  (akaru-i)
 (3) 寒部屋  (samu-i)

 イ形容詞「いい」は辞書形以外の活用形で語幹が「よい」と同じ /yo-/ に一致します。この例外は以下のように「かっこいい」にも適用されます。(現代では(4a)(5a)が用いられることもありますが…)

 (4)a *いくない(i-kuna-i)
    b よくない(yo-kuna-i)
 (5)a *かっこいくて(kakkoi-kute)
    b かっこよくて(kakkoyo-kute)

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イ形容詞は動詞に近い性質を持つ

 日本語のイ形容詞は動詞と同じく屈折し、また辞書形などの一部の活用形を除き、動詞の活用形に現れる屈折接辞はイ形容詞の活用形に現れる屈折接辞にも(部分的に)現れます。このことからイ形容詞は動詞に近い性質を持つ形容詞として位置づけられることがあります(八亀 2007: 55)。次の表は「食べる(tabe-ru)」と「高い(taka-i)」の活用を比較したもので、例えばそれぞれのナイ形には共通して /na/ が現れていますし、そのほかの活用形においても動詞につく屈折接辞がイ形容詞にも現れています。(なので形容動詞と呼ばれるべきはホントはイ形容詞のほうです。)

一段動詞 イ形容詞
ナイ形 tabe-na taka-kuna
テ形 tabe-te taka-kute
タ形 tabe-ta taka-katta
バ形 tabe-re taka-kere
意向形 tabe-you taka-karou

ナ形容詞との形態統語的な違い

 ナ形容詞は名詞や名詞句を修飾するとき、ナ形容詞語幹と被修飾名詞の間には判定詞の活用形の一種である「な」が現れます。この点はイ形容詞との違いとしてよく挙げられます。

 (6)a 難し問題  <イ形容詞>
    b 困難問題  <ナ形容詞>
 (7)a 速回答   <イ形容詞>
    b 迅速回答  <ナ形容詞>

 ナ形容詞は判定詞「です」「だ」「である」「でございます」が後接することは許容されますが、イ形容詞は「です」だけ許容され、それ以外の判定詞は許容されません。

 (8)a 美しいです。
    b *美しいだ。
    c *美しいである。
    d *美しいでございます。
 (9)a 綺麗です。
    b 綺麗だ。
    c 綺麗である。
    d 綺麗でございます。

参考文献

 上野義雄(2016)『現代日本語の文法構造 形態論編』173-188頁.早稲田大学出版部
 工藤真由美(2007)「調査と研究成果の概要」『日本語形容詞の文法-標準語研究を超えて-』3-51頁.ひつじ書房
 八亀裕美(2007)「形容詞研究の現在」『日本語形容詞の文法-標準語研究を超えて-』53-77頁.ひつじ書房




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