評価
評価(evaluation)とは、「学校における教育活動に関し、教育目標がどの程度実現できたか、どのような成果が得られたのか、児童・生徒の理解や行動にどのような変化が生じたのかといった学習状況の診断を行うこと」(渡部 2019: 25)です。教師にとっては教育目標がどの程度達成されたかを知り、学習者が何を理解し、何を理解していないかが分かります。評価によってその後の教授活動の改善にも活かせます。学習者にとっては自分がどこまで目標を達成しているか知ることができ、自分の学力がどの程度かや集団における自身の位置を知ることができます。
評価は、実施される目的や機能、時期により診断的評価、形成的評価、総括的評価に分けられます。これらはブルーム(Bloom,B.S.)によって分類されました。
診断的評価 | 指導に先立って学年初めや学期初めに行い、学習者のレディネスや指導課題などの把握とその後の授業を計画づけるために行う評価 |
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形成的評価 | 学習過程で一区切りつく段階で行われ、その時点までの学習者の習得状況の把握および教授活動や学習活動を改善するための資料を得るために行う評価 |
総括的評価 | 学期末や学年末などの学習過程が一区切りつく段階で行われ、学習者が学習目標をどの程度達成したかの判定および教師の指導やカリキュラムが適切であったかどうかを点検する資料を得るために行う評価 |
また、評価は資料の解釈の基準をどこにおくかによって絶対評価、相対評価、個人内評価にも分けられます。
絶対評価 | 教育目標に準拠して学習がどの程度達成されたかをみる評価→ 到達度評価 |
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相対評価 | 集団に準拠して個人の相対的な位置をみる評価 |
個人内評価 | 評価の基準を個人の中に置き、個人の特徴や変化を捉える評価 |
これらのほか、評価はポートフォリオやルーブリックなどによっても実施できます。
参考文献
石田敏子(1992)『入門 日本語テスト法』5-14頁.大修館書店
西岡加名恵(2003)『教科と総合に活かすポートフォリオ評価法―新たな評価基準の創出に向けて』15-24頁.図書文化社
平沢茂(2014)『改訂版 教育の方法と技術』168-179頁.図書文化社
渡部淳(2019)『教育の方法・技術論』25-30頁.弘文堂
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