6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

個人内評価とは?

個人内評価

 個人内評価とは、評価の基準を個人の中に置き、個人の特徴や変化を捉える評価のことです。相対評価のように他人と比較して集団の中に位置づけるようなことはせず、個人を個人自身と比較して評価します。個人内評価は、個人の現在のデータと過去のデータを比較して進歩の状況を把握する縦断的個人内評価と、個人のほかの教科の成績などと比べて長所や短所、得手不得手を把握する横断的個人内評価の2つがあります。

 本人の進歩が明らかになるので学習者を褒めてあげることができ、それによって学習者の動機づけも高められます。進歩の度合いによって今後の学習や指導の方針を立てやすい側面がありますが、独善的で甘い評価になる危険性もはらんでいます。そうした主観性を取り除いて評価を客観的に行うためには相対評価をしなければいけません。例えば、テストで90点を取ったとしても、他の学習者の多くが100点を取っている状況では必ずしも優れているとは限りません。個人内評価は個人の進歩を把握できますが、集団内において優れているかどうかは分かりません。

参考文献

 石田敏子(1992)『入門 日本語テスト法』12-13頁.大修館書店
 平沢茂(2014)『改訂版 教育の方法と技術』176頁.図書文化社
 広石英記(2014)『教育方法論』125頁.一藝社




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