6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

絶対評価とは?

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絶対評価

 絶対評価(absolute evaluation)とは、教育目標に準拠して学習がどの程度達成されたかをみる評価のことです。目標に準拠した評価なので目標準拠評価とも言います。絶対評価では、例えば100点満点のテストで90点以上を「秀」、80点以上を「優」、70点以上を「良」、60点以上を「可」、59点以下を「不可」のように評価します。

 長所としては、あらかじめ決められた絶対的な基準を用いるため正確な学習者の学力を知ることができます。また、学力が上がればその分評価も上がり、直に成績に反映されることは学習者の動機づけを高められます。短所としては、教育目標をしっかりと定め、どこまで到達したら「秀」なのかという妥当な評価基準を具体的に設定しなければ教師の主観による評価となってしまい、評価の信頼性が低下してしまいます。集団内での順位は明らかにされないことも短所の一つです。

到達度評価

 到達度評価は、「『公式を使って台形の面積を求めることができる』『台形の面積を求める公式の意味が分かる』といった形で子どもたちが獲得すべき内容や能力を実体的に示した『到達目標』を基準に、それに到達しているかどうかで子どもの学力を把握しようとする評価」広石(2014: 126)のことです。自分で問題を探し解決できる、のような抽象的な目標ではなく、「~が分かる」「~ができる」といった具体的な到達目標を基準にしている点が大きな特徴。目標を基準にしているという点から到達度評価も絶対評価の一つです。

 到達度評価は単に「絶対評価」と呼ばれることもあります。

参考文献

 石田敏子(1992)『入門 日本語テスト法』12-13頁.大修館書店
 西岡加名恵(2003)『教科と総合に活かすポートフォリオ評価法―新たな評価基準の創出に向けて』21-22頁.図書文化社
 平沢茂(2014)『改訂版 教育の方法と技術』175頁.図書文化社
 広石英記(2014)『教育方法論』123-126頁.一藝社




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