ルーブリック(rubric)
ルーブリックとは、「成功の度合いを示す数レベル程度の尺度と、それぞれのレベルに対応するパフォーマンスの特徴を示した記述語(評価規準)からなる評価基準表」(文部科学省 2016: 28)です。例えば次のようなものです。
0点 | 1点 | 2点 | 3点 | |
---|---|---|---|---|
聞く | ゆっくりはっきりなら聞き取れる | 身近な話題を聞き取れる | 身近な事柄の短い説明が分かる | 身近な事柄の長い説明が分かる |
読む | 身近な事物の単語が分かる | 興味がある話題の内容が理解できる | 身近な事柄の短い説明が分かる | 身近な事柄の長い説明が分かる |
書く | 例文を参考にして簡単な文が書ける | 自分に関する内容を簡単に書ける | 身近な事柄について簡単に書ける | 関心がある事柄について自分の意見を加えて書ける |
話す | 挨拶に応答できる | 身近な話題なら質疑応答できる | 準備すれば関心がある話題に参加できる | 身近な話題について意見交換できる |
上記のルーブリック例は縦軸に「聞く」「読む」「書く」「話す」の4つの評価項目、横軸に0点から3点までのレベル(到達度)を置き、その内側には何ができればそのレベルに該当するのかについての評価基準が書かれています。
あらかじめ設定された評価基準に照らして評価をするので比較的評価の妥当性や公平性は確保しやすいですが、そのルーブリックに真に妥当性があるかどうかは作成段階で決まり、妥当性のある評価項目や評価基準の設定は教師自身の力量が試されます。ルーブリックは教師が学習者を評価するために使うだけでなく、学習者の自己評価にも使わせることができます。それによって学習者は自身が何を改善すべきかを把握しやすいです。
参考文献
西岡加名恵(2003)『教科と総合に活かすポートフォリオ評価法―新たな評価基準の創出に向けて』144-157頁.図書文化社
文部科学省(2016)『学習評価に関する資料, 総則・評価特別部会 資料6-2』28頁
山内紀幸(2013)『教育課程論』182-184頁.一藝社
渡部淳(2019)『教育の方法・技術論』28-29頁.弘文堂
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