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美化語とは?

美化語

 美化語はものごとを、美化して述べるものです。

 お酒、お料理

 「お酒は百薬の長なんだよ」などと述べる場合の「お酒」は、<行為者>や<所有者>を立てるものではないので尊敬語ではなく、また<向かう先>を立てるものでもないので謙譲語Ⅰでもありません。さらに<相手>に丁重に、あるいは丁寧に述べているということでもないから謙譲語Ⅱでも丁寧語でもありません。この「お酒」のような例は、「お酒」と「酒」と比較して、「ものごとを、美化して述べている」のだと見られます。

 こう考えると敬語とは性質の異なるものであるように見えますが、美化語は<行為者><向かう先><相手>などに配慮して述べるときにはこの言い方が表れやすいという特徴があり、例えば「先生は酒を召し上がりますか」の代わりに「先生はお酒を召し上がりますか」と述べるほうがふさわしく感じます。こうした点から、美化語は広義で敬語と位置づけることができ、敬語に準じたものとして扱います。

参考文献

 文化庁(2007)『敬語の指針』(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf




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