接続
五段動詞のない形+せられる/される
一段動詞のない形+させられる
する→させられる
来る→来させられる
意味
被迫…
不由得…
解説
使役受身形とも呼ばれる文法です。感心、感動、考えるなどの感情に関する動詞につくときはある物事によって自然に湧き出てきた感情を表し、その他の動詞につくときは誰かに何かを強制されることを表します。
五段動詞の使役受身形は「ない形+せられる/される」で作ります。「~される」の言い方は省略形です。ただし「~す」で終わる動詞(話す、直す…等)は「~話さされる」と「さ」が重複しますので、通常は「話させられる」と言われます。
一段動詞の使役受身形は「ない形+させられる」で作ります。例外はありません。
サ変動詞「する」は「させられる」、カ変動詞「来る」は「来させられる」です。
例文
(1) 熱があったので、先生に早退させられた。 ▶
因为发烧了,不得不被老师劝着早退了。
I had a fever, so the teacher made me leave early.
(2) 植民地時代、男性は強制労働をさせられた。 ▶
殖民地时期,男性不得不被要求强制劳动。
During the colonial era, men were forced into labor.
(3) 敵ではあるが、戦地でのその行動には感心させられた。 ▶
虽然是敌人,但不得不对在战场上敌方的行为感到钦佩。
They may be enemies, but I was impressed by their actions on the battlefield.
(4) 母に薬を飲まされた。 ▶
被母亲逼着吃了药。
I was made to take medicine by my mother.
(5) 好きでもない話を延々と聞かせられた。 ▶
被迫听了很长时间不感兴趣的话。
I was made to listen to endless stories that I didn’t even like.
(6) 無理やりコスプレの衣装を着させられた。 ▶
被逼着穿上了变装的衣服。
I was forced to wear a cosplay costume against my will.
(7) 非常に感動させられる映画だった。 ▶
这是一部非常令人感动的电影。
It was a movie that truly moved me.
(8) 人気店ということもあってかなり混んでいて、結局1時間も待たされた。 ▶
这家店因为非常有人气客流也很大,结果不得不等了1个小时。
The place was very crowded, likely due to its popularity, and I ended up waiting for an hour.
備考
ヴォイス系 | 意味 |
---|---|
【N4文法】~れる/られる/できる | 可能 |
【N4文法】~れる/られる/される | 受身 |
【N4文法】~せる/させる | 使役 |
【N4文法】~(さ)せられる | 使役受身 |
【N3文法】~れる/られる/される | 自発 |
コメント
コメント一覧 (10件)
先生、いつも本当にありがとうございます。一つ質問しても宜しいでしょうか。よろしくお願いいたします。
「感動される」と「感動させられる」とニュアンスではどんな違いがあるでしょか。
>しきさん
コメントありがとうございます!
「感動する」と「感動させられる」のニュアンスでしょうか?
「感動する」は普通の言い方で、「感動させられる」は制御できない感情が出てくる感じがします。
「感動される」は受身なので、比較はできないです…
先生、分かりました。ほんとうにありがとうございます。もう一つの質問しても宜しいでしょうか。受身形の「感動される」という言い方はよく使われますか?
>しきさん
「感動される」は… 使う場面が珍しいです。だからあまり使われないです。
「感動する」は感情を表しますね。でも相手の感情は、他人には分からないですから…
「私は彼に感動された」という言い方は結構難しいです。
先生、丁寧なご説明を頂きほんとうにありがとうございます。助かりました。
先生
kakuです。いつも本当にありがとうございます。
下記の内容を確認いただけませんか。
①卒業式の写真を見ると、楽しい高校時代が「A思い出される B思い出させられる」
この問題の答えがAとなっていますが。正しいですか。
Bの 「思い出させられる」 は だめですか。
②「映画を見て、A感動されました B感動させられました」
この文では、やはりBのほうが自然ですか。Aのほうが使われないんですか。
>kakuさん
①はA「思い出される」が正しいです。
②はB[感動させられました」が正しいです。
感情系の五段動詞や一段動詞を受身形にすると、感情が自然と出てくる自発の意味を持ちます。
(思い出す→思い出される、感じる→感じられる…)
感情系のサ変動詞につくときは「させられる」をつけると、自発の意味になります。
(感動する→感動させられる…)
B「思い出させられる」はダメです。五段動詞や一段動詞は受身形にしてください。
A「感動されました」はダメです。サ変動詞には「させられる」をつけてください!
先生
こんにちは
kakuです
返信が遅くなって、申し訳ございません。
詳しく説明していただいて、本当にありがとうございます。
要するに、感情が出てくる表現として、受身と使役受身があります。
しかも、その中に 五段動詞や一段動詞の場合は受身の形で、サ変動詞は使役受身の形になっているということですか。
その逆はだめだということですか。
例えば、「故郷が思い出される」は言いますが、「故郷を思い出させられる」は言いません。
「これを見て、感動させられた」は言いますが、「これをみて、感動された」は言いません。
以上の理解で大丈夫ですか。
度々すみませんが、
>kakuさん
その理解で大丈夫です! 逆にすると間違いです。
素早く返信いただき、本当にありがとうございます。
大変勉強になりました。