接続
動作性の名詞+どころではない
動詞辞書形+どころではない
動ている形+どころではない
意味
①不是…的时候
哪能…
不是谈…的时候
哪有闲工夫谈…
~している場合ではない
②不止
解説
意味が2つあります。
①それをしている場合ではない
時間的・金銭的等の理由で事態が切迫しており、それをしている場合ではないことを表します。例文(1)~(4)。
②事態はそれ以上である
「Aどころではない」で、事態の程度はA以上であることを表します。良い事でも悪い事でも表すことができ、この用法でも事態が切迫しているニュアンスを持つこともあります。 例文(5)~(8)。
「それどころではない」「それどころではなく~」は慣用的に用いられる表現です。
「それどころではなく」は単独で接続詞的な使い方ができます。
例文
(1) 年末だが何かと忙しくて大掃除どころではない。 ▶
虽然是年末,但总是很忙,根本谈不上大扫除。
It’s the end of the year, but I’m too busy to focus on cleaning.
(2) 腹が減って寝るどころではない。 ▶
肚子饿得哪能睡得着。
I’m too hungry to go to sleep.
(3) 仕事に追われて、ゆっくりメシ食べてるどころの話ではない。 ▶
被工作压迫着,哪有时间悠闲地吃饭。
I’m swamped with work, so there’s no time to leisurely eat a meal.
(4) この時期忙しすぎてクリスマスどころの話ではない。 ▶
这个时期太忙了,哪有过圣诞节的工夫。
I’m so busy at this time of year that Christmas is out of the question.
(5) 寄せられた批判コメントは100件どころではない。 ▶
收到的批评评论不止100件。
The criticism comments received are not just a few, but rather a hundred.
(6) 美しすぎて息を呑むどころではない。 ▶
美得让人喘不过气来。
She is so stunning that it takes my breath away.
(7) 一石二鳥どころではない。一石三鳥だ。 ▶
哪是一举两得,是一石三鸟。
It’s not just killing two birds with one stone, but rather killing three birds.
(8) 謝って済むどころではなく、それは犯罪だ。 ▶
不是道歉就能解决的问题,那是犯罪。
It’s not a matter that can be resolved with an apology; it’s a crime.
備考
「どころ」シリーズ | 意味 |
---|---|
【N2文法】~どころか | 予想と事実が真逆 |
【N2文法】~どころか~ない | そんな簡単なこともできなかった |
【N2文法】~どころではない/どころの話ではない/どころの騒ぎではない | そういう場合ではない事態はそれ以上 |
コメント
コメント一覧 (2件)
おしえてくれてありがとうございます!
今不明な点があります。
最近宮沢賢治さんの銀河鉄道の夜を読んでいて、今までこの文法見つけたのは二回です。
最初は
「それどこでなくカムパネルラは、その雑誌を読むと、すぐお父さんの書斎から大きな本を持ってきて、銀河というところを広げ、真っ黒な頁いっぱいに白い点々のある美しい写真を二人でいつまでも見たのでした。」
次は
「それどころでなく、見れば見るほど、そこは小さな林や牧場やらある野原のように考えられて仕方なかったのです。」
この「それどこでなく」と「それどころでなく」は、確か「どころではなく」でしょうか。
しかし、文法の本の中に、「どころではない」の説明は意味一の「それをしている場合ではない」だけがあります。即ち、中国語で
「不是…的时候
哪能…
不是谈…的时候
哪有闲工夫谈…」でしょうか。
では、意味二の「事態はそれ以上である」はどのように翻訳すればいいのですか。
自分の理解で、
「それどころでなく」 ⇒ 「不仅如此」
「 一石二鳥どころではない。一石三鳥だ。」の「どころではなく」 ⇒ 「岂止、不止」
と思います。
間違ったところと正しい翻訳をを教えてくれませんか:)
>ビーさん
コメントありがとうございます!
私自身「銀河鉄道の夜」は読んだことがないのですが、確認してみたら確かに「それどこでなく」と書いてますね。色々調べてみたら、宮沢賢治は誤字が多かったらしく、これもその一つかもしれません。もちろん意味は「それどころでなく」と同じです。
「~どころでなく」はまとめの通り、意味が2つあります。
一つは「それをしている場合ではない」ですね。あともう一つ「事態はそれ以上である」ですが、良い訳が見つからないので意味欄に書かないことにしました。
ただ、おっしゃる通り「不止」は随分的確な表現だと思います! およそそのような理解をしていれば大丈夫ですね。
今回ご指摘頂いたので、記事の内容を訂正したいと思います。ありがとうございました!