6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

【N0文法】~が~なら

接続

 名詞A+が+名詞A+なら

意味

 もし他の[名詞]だったなら
 要是…就…了(但实际上…)

解説

 同じ名詞を2回繰り返して使う文法です。一般的に使われる表現はとても少なく、「世が世なら(時代が時代なら)」「相手が相手なら」等です。

 世が世なら(時代が時代なら) → もし別の時代だったなら
 相手が相手なら → もし別の相手だったなら

例文

(1) 世が世なら切腹ものだ。
     如果时世如此,那就是切腹之事。
     If it were a different time, it would be a matter of ritual suicide.
(2) 時代が時代なら死刑だ。
     如果时代如此,那就是死刑。
     If it were a different era, it would be the death penalty.
(3) 世が世なら彼女は絶世の美人として名を残したはずだ。
     如果世事如此,她本该作为绝世美人名留青史。
     If things were different, she would have left a name as an extraordinary beauty.
(4) 世が世なら戦争になる事態だ。
     如果世事如此,那将是一场战争的局势。
     If it were a different world, it would be a situation leading to war.
(5) この子は世が世なら王になっていただろう。
     如果世事如此,这个孩子本可以成为国王。
     If circumstances were different, this child could have become a king.
(6) 相手が相手なら負けている試合だった。
     如果对手如此,那就是一场败局。
     If the opponent were different, it would have been a losing game.

備考

 「時代」や「相手」以外、一般的に使える表現が見つかりませんでしたので、もしありましたらコメントください。




コメント

コメント一覧 (1件)

  •  『「時代」や「相手」以外』があれば、とのことで。
     (別項「~が~なら~も~だ」は除くとして)この「A が A なら」は、暗黙的に「A が特定の A なら」のように後半で条件を狭める(部分集合を作る)場合に使うように思えます。だから「時代」や「相手」だけでなく、(狭めるための)境界が明瞭な多くのものに使えるような気がします。いかがでしょう。
     例えば、場所、理由、原因、物質、関係、地位、立場、品質、分野、規模、程度、内容、値段、国、メーカー、キャスト、ペット、発信元、経路、媒体、通貨、震源、火元、数値、などなど。
     例「規模が規模なら無視できない」「立場が立場なら糾弾されていた」「火元が火元なら家一件では済まなかった」
     ちなみに、さらに別項「~が~だけに」も暗黙的には「A が特定の A だけに」に見え、A に入れられるものには同じような(上の例のような)自由度があるように見えます。

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