語種(word type)
語をその出自によって分類したとき、その言語に元々存在していた固有語(本来語)と、他言語から取り入れた借用語との2つに大別されます。日本語における固有語は和語(大和ことば)と呼ばれており、日本語の全ての品詞に分布し、語彙の中核を担っています。日本語における借用語は、さらに中国から借用した漢語(字音語)と中国以外の言語から借用した外来語(カタカナ語)に分類します。中国から借用した語を外来語に含めないのは、日本語の歴史において中国から借用された語の影響が大きいためです。これらをまとめると次のようになります。
┏ 固有語(本来語) ‥‥ 和語(大和言葉)
┃
語 ┫
┃ ┏ 漢語(字音語)
┗ 借用語 ‥‥ ┫
┗ 外来語(カタカナ語)
語の出自を語種といい、日本語では一般に和語、漢語、外来語の3つに分けられています。ただし、日本語の系統が不明であるためにある語の語種を正確に捉えることは困難であり、厳密にその出自に応じて分類しているわけではありません。和語はおよそ訓で読まれるもの、漢語はおよそ音で読まれるものを指します。これら3つの語種のうち複数を組み合わせてできた語は混種語と呼ばれます。
参考文献
西尾寅弥(2018)「語種」『朝倉日本語講座4 語彙・意味』79-109頁,朝倉書店
森山卓郎・渋谷勝己(2020)『明解日本語学辞典』76頁.三省堂
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