令和7年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(12)解説
(12)「ている」の意味
「ている」の意味は、簡単に言うと、継続動詞に接続した場合は<進行中>を表し、瞬間動詞に接続した場合は<結果の状態>を表します。詳しくは「【金田一】アスペクトの観点から見た動詞分類(状態動詞、継続動詞、瞬間動詞、第四種の動詞)」をご覧ください! (ほんとは、「ている」を付けて<進行中>を表す動詞を継続動詞、<結果の状態>を表す動詞を瞬間動詞と区別するんですけどね)
(1) ご飯を食べている。 <進行中>
(2) 虫は死んでいる。 <結果の状態>
(1)の場合は、食べ物を口に運んで噛んで飲み込む「食べる」という動作が連続していることを表します。これが<進行中>です。しかし(2)は「死ぬ」という動作が連続しているわけではなく、過去のある時点で「死ぬ」が表す動作が実現して、それによって生から死への状態が変化し、その結果である”死”の状態が発話時現在まで残っていることを表します。これが<結果の状態>です。
ただし! <進行中>、<結果の状態>どちらも表さないテイルもあります。例えば次のような例。
(3)a 山がそびえている。
b ✕山がそびえる。
(4)a 彼女は優れている。
b ✕彼女は優れる。
(3a)(4a)の「そびえる」「優れる」などの動詞は多くの場合(あるいは必ず)テイル形で用います。この種の必ずテイル形で用いる動詞は金田一の分類では第四種の動詞と呼ばれています。ですので(3b)(4b)のように辞書形で用いることは普通できないわけですね。
さて、これらの知識があればこの問題は解けます。
選択肢1
「✕この靴はしゃれる」というように「しゃれる」は辞書形で使うことができず、必ずテイル形で用います。この種の動詞は第四種の動詞であり、この「テイル」に意味はありません。
選択肢2
この文の「結婚している」は、発話時よりも過去に「結婚する」という動作が実現して、未婚から既婚の状態へと変化し、その結果である”既婚”の状態が発話時現在まで残っていることを表しています。<結果の状態>を表すテイルです。なお、この「結婚する」は瞬間動詞です。
選択肢3
この文の「決まっている」は、発話時よりも過去に「決まる」という動作が実現して、未定から既定の状態へと変化し、その結果である”規定”の状態が発話時現在まで残っていることを表しています。<結果の状態>を表すテイルです。なお、この「決まる」は瞬間動詞です。
選択肢4
この文の「掛けている」は、発話時よりも過去に「掛ける」という動作が実現して、掛けている状態から掛けている状態へと変化し、その結果である”掛けている”状態が発話時現在まで残っていることを表しています。<結果の状態>を表すテイルです。なお、この「掛ける」は瞬間動詞です。
選択肢5
この文の「ついている」は、発話時よりも過去に「つく」という動作が実現して、ついていない状態からついている状態へと変化し、その結果である”ついている”状態が発話時現在まで残っていることを表しています。<結果の状態>を表すテイルです。なお、この「つく」は瞬間動詞です。
瞬間動詞と第四種の動詞の知識があれば解けますね! 継続動詞の知識は要らなかったです。
答えは1です。

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