令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題15解説
問1 日本語能力試験
選択肢1
2018年度(平成30年度)の7月データを見てみると受験者数は均等ではありませんでした。
選択肢2
2018年度(平成30年度)の7月データを見てみると、海外受験者数のほうが多かったのでこれが答え。
選択肢3
ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)とは、ヨーロッパの言語教育が共通の基準で行われるように定められた、言語能力の測定基準を示したものです。このCEFRを基準にして日本ではJF日本語教育スタンダードという枠組みを作りました。CEFRとJF日本語教育スタンダードはA1~C2の6段階のレベルがありますが、JLPTはN1~N5の5段階です。レベルは対応していません。
選択肢4
すべての試験科目を受験して、①総合得点が合格に必要な点(=合格点)以上で、②すべての得点区分の得点が、区分ごとに設けられた合格に必要な点(=基準点)以上なら合格です。得点区分の得点が1つでも基準点に達していない場合は、総合得点がどんなに高くても不合格になります。
「よくある質問」にはこのように書いています。合格点が設けられていて、それを全てクリアしている受験者を合格としています。相対評価ではありません。
したがって答えは2です。
問2 BJTビジネス日本語能力テスト
選択肢1
試験自体はほぼ毎日実施されていて、CBT形式で行われます。ただし、試験は自宅ではできず、テストセンターでコンピュータを使って出題・解答を行います。「自宅で」が間違い。
選択肢2
結果は「合格/不合格」ではなく、0~800点の点数とそれに応じたJ5~J1+の6段階のレベルで評価されます。これが正しい記述。
選択肢3
記述式はありません。間違い。
選択肢4
測定する能力の対象は明記されていますが、出題基準はないようです。
答えは2です。
問3 「日本留学試験」の日本語科目
「日本語シラバス | JASSO」には、日本留学試験で問われる能力として直接的理解能力、関係理解能力、情報活用能力が挙げられています。
答えは1です。
問4 主観テスト
主観テストとは、明確な答えはなく、採点者の主観によって採点を行うテストのことです。作文、レポート、口頭試験など。
逆に客観テストというものもあって、こっちは明確な正答が一つだけあり、採点者の主観による採点ができないテストのことを指します。
選択肢1
これは客観テストの特徴。客観テストは確かな正答が存在するので、受験者の回答に対して確かな正誤を与えることができます。これを統計処理することで問題の質が良いか悪いかが分かります。
主観テストは主観で採点するし、しかも答えが一つじゃないしで統計的には判断できません。
選択肢2
これも客観テストの特徴。客観テストは多くの問題を用意することができます。
主観テストは作文、レポート、口頭試験などの形式の試験で、限られた数の問題しか出題できません。そのため出題範囲も狭くなります。
選択肢3
ここでいう信頼性とは、そのテストの結果が常に同様の結果を得られるかどうかの度合いのことです。主観テストは主観による採点のため、信頼性は確かに低くなります。この選択肢が答え。
選択肢4
主観テストは主観によって採点を行うため、採点基準を一定に保つことは難しいです。これは客観テストの特徴。
答えは3です。
問5 学習者のニーズとそれに対応するテスト
選択肢1
OPI(Oral Proficiency Interview)は外国語の口頭表現能力を測定するための試験です。作文は書かないので、作文能力のレベルを知るためにOPIを受験するのは間違ってます。
選択肢2
「高度人材ポイント制の加点対象となる日本語能力一覧」によると、日本語能力試験N1とBJT ビジネス日本語能力テスト480点以上の人には15ポイント、日本語能力試験N2とBJT ビジネス日本語能力テスト400点以上の人には10ポイント加算されるそうです。
BJTはポイント稼ぎに良いですね!
選択肢3
SL対話型アセスメント(DLA)は学校において外国人児童生徒の日本語の能力を把握し、その後の指導方針を検討する際の参考になるものとして文部科学省が作成したものです。テストではありません。よってこれをもって会話能力を就職先に証明することもできません。
参考:外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA:文部科学省
選択肢4
日本留学試験はウェブ上で受けることはできません。
したがって答えは2です。
参考:実施要項 – JASSO
コメント
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お世話になっております
DLAについてですが、このテストは口頭のみでしょうか 筆記もあると書いてある箇所がありましたが、実際どうなのでしょうか?
よろしくお願いいたします
>わたかわさん
DLAが測定する言語能力は、「(「導入会話」と「語彙力チェック」)と、<話す><読む><書く><聴く>の4つの言語技能」と書かれています。
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2014/03/20/1345383_3.pdf
口頭だけではなく4技能の能力を見るという事ですね。ありがとうございました😊
まだお世話になると思いますがよろしくお願い致します。
今年、初めての検定試験です。今、やっと項目応答理論を理解することができました。理解力、記憶力や応用力に乏しいわたしの学力に力をくださいます。本当にありがとうございます。