連綿語(联绵词)
中国語における単純語のほとんどは単音節語(漢字一字に相当)ですが、中には「参差 cēncī」「咖啡 kāfēi」「迪斯尼 dísīní」「奥运匹克 àoyùnpǐkè」「咕咚 gūdōng」などの複音節語もあります。このうち、二音節からなる単純語を連綿語(联绵词 liánmiáncí)と呼びます。連綿語の大きな特徴として、二つの音節の声母(頭子音)もしくは韻母(声母に続く母音を中心としたまとまり)が同一であるものが見られ、例えば、二つの音節の声母が c- で始まっている「参差 cēncī」、韻母が -ang で同一である「彷徨 pánghuáng」などが挙げられます。この観点から連綿語は声母が同一であるもの、韻母が同一であるもの、声母も韻母も異なるものの3つに分けられます。
双声語(双声词 shuāngshēngcí) | 二つの音節の声母が同じである連綿語。「参差 cēncī」「伶俐 língli」「鸳鸯 yuānyāng」「仿佛 fǎngfú」… |
畳韻語(叠韵词 diéyùncí) | 二つの音節の韻母が同じである連綿語。「窈窕 yǎotiǎo」「荒唐 huāngtáng」「玫瑰 méigui」「彷徨 pánghuáng」… |
非双声畳韻語(非双声叠韵词) | 二つの音節の声母も韻母も異なる連綿語。「鸚鵡 yīngwǔ」「芙蓉 fúróng」「蝴蝶 húdié」「囫囵 húlún」… |
連綿語は「全体として発音がしやすく、ききてにも耳あたりがよく、まろやかな感じをあたえる」(香坂 1988: 186)ため、ひとたび生じた連綿語の寿命は長く、中国語の歴史の中でたくさん蓄積されて現代まで残っています。
参考文献
香坂順一(1988)『中国語学の基礎知識』186-187頁.光生館
輿水優(1985)『中国語の語法の話-中国語文法概論-』36-38頁.光生館
中国語学研究会(1969)『中国語学新辞典』18-19頁.光生館
守屋宏則(1995)『やさしくくわしい中国語文法の基礎』4頁.東方書店
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