「翔ける」は本当に五段動詞?

 動詞の自他をいろいろ調べていて気付いたことがあるんですけど、「翔ける/翔る(かける)」という動詞は私の語感だと「翔けない(kake-nai)」「翔けます(kake-masu)」みたいに活用するんで一段動詞だろうと思ったんです。でも辞書(明鏡国語辞典第二版)を引くとなんと五段動詞でした。

 もし「翔ける」が五段動詞だったら、一段動詞だったらどんな形になるのかを表にしました。辞書形だと分からないですけど、活用形にするとその違いがちゃんと現れます。みなさんはどっちがしっくりくるでしょうか。

五段動詞 一段動詞
辞書形 翔ける(kaker-u) 翔ける(kake-ru)
ナイ形 翔けらない(kaker-anai) 翔けない(kake-nai)
マス形 翔けります(kaker-imasu) 翔けます(kake-masu)
テ形 翔って(kaker-ite) 翔けて(kake-te)
命令形 翔けれ(kaker-e) 翔けろ(kake-ro)

 ちなみにXのツイートをいろいろ調べてみると… 「翔ける」が五段動詞として使われている例が見つかります。

 (1) どこまでも二人で翔けてほしい
 (2) 翔け抜けろ
 (3) 世界を翔けろ

 (1)のテ形「翔けて」を見ると一段動詞として扱われていることが分かります。(2)の「翔け抜ける」は複合動詞ですけど、複合動詞の前部要素は動詞のマス形が置かれます。だからこの「翔け(ます)」は一段動詞です。(3)の「翔けろ」も一段動詞ですね。

 (4) 釧路の空に 舞い翔けり ウミネコたちの声響く

 (4)の「翔けり」は五段動詞として用いられている例ですが、五段動詞として用いられている「翔ける」は検索してもあまりなくて肌感覚としては少ないし、やっぱり語感も変だなあと感じます。「翔けれ」よりも「翔けろ」のほうがよく聞く気がしますから。

 私の予想ですが、たぶん一段動詞の「駆ける」が影響してるかもしれません。音も同じだし、意味も同じく移動で似てるからです。辞書に示されているように以前は五段だったのかもしれませんけど、今はどちらかというと活用が一段動詞化している可能性が? ちゃんと調べようと思ったら日本語史。




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