平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題13解説
問1 共通語化が進む場面
地方において、方言ではなく共通語が使われるようになっている場面を選択肢から選びます。地方といっても抽象的なので、私の出身の青森で考えますね。
1 町内会での会話は方言を使います
2 幼馴染と話すときは方言を使います
3 就活の面接では共通語を使います
4 友達を話すときは方言を使います
昔はコンビニでも方言だったんですけど、今だとレジでは共通語を使う人もちらほら現れてきてます。
答えは3です。
問2 方言と共通語の使い分け
方言は、たとえば津軽の方言で「少し」は「わんつか」、「友達」は「けやぐ」と言います。あと、動詞のタ形は大体全部「だ」になって「書いだ」「食べだ」とかになります。こんなふうに津軽弁を知らない人に津軽弁の語彙や文法を教えると、とりあえず真似すればそれは使えるようになりますね。でも音声・アクセントは教えてもなかなか使えるようにならないです。例えば、アクセントは「わんつか」、「けやぐ」って教えてもそれって忘れやすい。
これは関西じゃない人が関西弁学ぶときも同じ。ツッコミは「なんでやねん」と言いますと教えられると、とりあえず語彙は分かるけど、正しいアクセントで発音できるかどうかはホントに難しい。生粋の関西人にアクセントが気持ち悪いって言われるかもしれない。
つまり方言の音声とアクセントは語彙と文法より難しい。
答えは1です。
問3 方言に対するイメージ
昔方言はなんだか馬鹿にされる感じでした… 津軽弁といえば田舎代表みたいな。でも今だと、特に松山ケンイチさんのおかげで青森の方言の地位があがったと実感してます。ほんとにありがたい!
1 こういうイメージは昔からあるので間違い。
2 表現豊か、丁寧なんてイメージはないです。
3 正しいです。このようなイメージに移り変わってきています。方言コスプレと関係ある。
4 方言に都会的なイメージはありません。都会と田舎は逆です。
答えは3です。
問4 農村地域の定住者に対する日本語教育と方言
選択肢1
地域の人とコミュニケーションをとる必要はありますが、農村地域といっても共通語は理解できますので、定住者が方言を使う必要は必ずしもありません。
選択肢2
正しいです。職場で方言に触れる機会が多いなら理解できるようになったほうがいいですし、馴染むために使いたいという人には使えるよう教えたほうがいいです。ニーズによって変えるものです。
選択肢3
地域に定住しようとする人、方言と共通語の区別がつかないなんてそんなわけない。自分の話すことばと同じかどうかは容易に区別がつきます。この選択肢は間違い。
選択肢4
定住しようとする人にとってその地域の方言を学ぶのは確かに難しいかもしれませんが、もしその人が方言を学びたいというニーズがあるなら方言を教えればいいと思います。共通語を教える必要がある、というのは言い過ぎ。この選択肢は間違い。
答えは2です。
問5 「方言」と「全国共通語」の特徴
選択肢1
京都の方言にはハル敬語と呼ばれる敬語があります。これは共通語とは別の体系の敬語です。この選択肢は適当。
選択肢2
違います。例えば青森の、私が住んでるあたりの若者は、生粋の津軽弁ではないけど共通語の語彙を津軽弁のアクセントで話したりしています。なので共通語と同じではありません。この選択肢は間違い。
選択肢3
その通りです。話し手の特徴が影響して現れる言語変種(方言)のうち、地域によって異なる方言は地域方言といい、人の社会的属性によって異なる方言は社会方言と言います。社会方言には年齢によって異なる若者言葉、老人語などが含まれます。この選択肢は適当。
選択肢4
えっとこれは何だろう? 調べ中…
答えは2です。
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