6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題9解説

目次

平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題9解説

問1 符号化

 1 感覚記憶や短期記憶、長期記憶に情報が保存されることを貯蔵と言います。
 2 長期記憶の中にある情報を探したり、取り出したりすることを検索と言います。
 3 感覚記憶に貯蔵された情報のうち、注意が払われた情報を覚えやすい形式に変換することを符号化といいます。符号化してやっと貯蔵することができようになるので、符号化は貯蔵の前段階です。
 4 ごめんなさい、分からないです。

 問題文の「音声による入力、あるいは文字による入力」とは、感覚記憶に貯蔵された情報を指しています。それを「理解する」のが注意を払い覚えやすい形式に変換する符号化の過程です。
 したがって答えは3です。

問2 自動化

 第二言語習得研究において、記憶した語彙や文法、発音などが無意識で使えるようになること、あるいは宣言的記憶が繰り返しによって手続き記憶に移行することを自動化と呼びます。

 したがって答えは4です。

問3 ワーキングメモリ(作動記憶)

 ワーキングメモリは情報を一時的に保持する機能だけでなく、情報を処理する機能があります。貯蔵された情報は7秒ほど保持し、情報が長期記憶に転送されなければワーキングメモリ上から消され忘却が生じます。

 1 ワーキングメモリでは7秒程度保持されます。
 2 その容量は当然人によって個人差があります。
 3 ワーキングメモリには情報を保持する機能と情報を処理する機能があります。言語情報の処理もしますし、計算なんかにも使います。
 4 正しいです。ワーキングメモリの処理資源を使いすぎることで、他の処理が難しくなります。保持ができなくなったり、情報処理ができなくなったりします。

 したがって答えは4です。

問4 長期記憶に貯蔵されている記憶

 長期記憶は、言語化できる宣言的知識と、言語化できない(しにくい)非宣言的知識に分けられる。
 宣言的知識はさらにエピソード記憶と意味記憶に分けられる。

宣言的記憶
陳述記憶
顕在記憶
エピソード記憶
(episodic memorry)
個人的な経験や思い出などの一連の出来事に関する記憶。いつ、どこで、誰と、何をしたかなど。
意味記憶
(semantic memory)
一般的な知識・情報に関する記憶。事実や概念など。
非宣言的記憶
非陳述記憶
潜在記憶
手続き記憶
(procedual memory)
運動や使い方などの身体で覚えた記憶。自転車の乗り方など。
プライミング
(priming)
あらかじめ提示された事柄(プライム)によって活性化した記憶。

 したがって答えは3です。

問5 文章理解

 1 正しいです。
 2 正しいです。
 3 正しいです。
 4 「一方向」という部分が誤りです。全て双方向の流れで理解を進めます。

 したがって答えは4です。

 




コメント

コメント一覧 (2件)

  • 你好老师,

    問3
    短期記憶は20秒ほど記憶、
    ワーキングメモリの情報の保持は7秒前後なので、
    選択肢1ではなく、4のようです。

    • >Albertさん
      度々コメントありがとうございます。返信が遅れまして申し訳ありません。
      都合が悪く、すぐに修正することができません。来週以降、確認して修正したいと思っています。よろしくお願いします。

コメントする

目次