平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題13解説
問1 表意性
表意文字とは、ひとつひとつの文字が意味を表している文字体系のことで、漢字は代表的な表意文字です。このように意味を形や絵に置き換えて表す性質を表意性と呼びます。
したがって答えは1です。
問2 手書き
『改定常用漢字表 文化審議会答申(平成22年6月7日)』(魚拓)の(5)~(6)ページに「漢字を手書きすることの重要性」という項目があり、ここからの出題です。
選択肢1
それは,書き取り練習の中で繰り返し漢字を手書きすることで,視覚,触覚,運動感覚など様々な感覚が複合する形でかかわることになるためである。これによって,脳が活性化されるとともに,漢字の習得に大きく寄与する。
5ページにはこのように書かれていて、選択肢1の内容と一致します。この選択肢は適当。
選択肢2
そんな内容はなし。
選択肢3
今後,情報機器の利用による習得機会は一層増加すると考えられるが,視覚のみがかかわる漢字習得では,主に漢字を図形のように弁別できる能力を強化することにしかならず,繰り返し漢字を手書きすることで身に付く,漢字の基本的な運筆や,図形弁別の根幹となる認知能力などを育てることはできない。
5ページにはこう書かれていて、選択肢3の内容と一致します。この選択肢は適当。
選択肢4
また,手で書いた文字には,書き手の個性が現れるが,その意味でも,個性を大事にしようとする時代であるからこそ,手で書くことが一層大切にされなければならないという考え方が強く求められているとも言えよう。
6ページにはこのように書かれていて、選択肢4の内容と一致します。この選択肢は適当。
答えは2です。
問3 常用漢字表の改定
『改定常用漢字表 文化審議会答申(平成22年6月7日)』(魚拓)の(11)~(12)ページに「字種選定における判断の観点と検討の結果」という項目があり、ここからの出題です。
② 漢字仮名交じり文の「読み取りの効率性」を高める
→ 出現頻度が高い字を基本とするが,それほど高くなくても漢字で
表記した方が分かりやすい字(例:謙遜の「遜」,堆積の「堆」)
→ 出現頻度が高く,広く使われている代名詞(例:誰,俺)
11ページにはその漢字を<入れると判断した場合の観点>として4つ挙げられており、そのうちの一つが上述の内容です。この内容は選択肢4と一致します。
答えは4です。
問4 改定常用漢字表
『改定常用漢字表 文化審議会答申(平成22年6月7日)』(魚拓)の(11)~(12)ページに「字種選定における判断の観点と検討の結果」という項目があり、ここからの出題です。
11ページにはその漢字を<入れると判断した場合の観点>として4つ挙げられており、そのうちの一つが上述の内容です。
③ 固有名詞の例外として入れる
→ 都道府県名(例:岡,阪)及びそれに準じる字(例:畿,韓)
また、同じく11ページには<入れないと判断した場合の観点>として4つ挙げられており、そのうちの一つが以下です。
② 出現頻度が高くても,固有名詞(人名・地名)中心に使用(例:伊,鴨)
つまり、出現頻度が高い漢字であっても、人名・地名などの固有名詞に使われるものは除外して、ただし都道府県名に使われるものは除外しないということで改定常用漢字表に含む漢字を選定しているようです。この内容は選択肢2と一致します。
答えは2です。
問5 改定常用漢字表の漢字数
『改定常用漢字表 文化審議会答申(平成22年6月7日)』(魚拓)の1ページにはこう書かれています。
「本表」には,字種2136字を掲げ,字体,音訓,語例等を併せ示した。
ちなみに常用漢字表は字種1945字でした(『文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 第14期国語審議会 | 常用漢字表について(答申) | 常用漢字表 | 表の見方及び使い方』)。つまり常用漢字表では1945字でしたが、改定常用漢字表では2136字に増えています。
答えは3です。
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