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異文化適応とは?

異文化適応(intercultural adaptation)

 異文化適応(intercultural adaptation)とは、ある文化に属する個人が異なる文化に接触したことによるカルチャー・ショックを乗り越え、異文化に馴染み、生活を送れるようになることです。異文化適応の過程と適応の到達度は、個人の内的要因(性別、年齢、国籍、学歴、社会的地位、海外経験の有無、移動先で使われる言語や社会に関する知識など)や個人を取り巻く環境要因(自文化との違いの程度、受け入れ先のサポート体制、相談者の有無など)によって異なります。そのため、異文化適応の支援をする際は個人の状況を踏まえた柔軟な対応が必要です。異文化は人に衣食住、言語、非言語行動、価値基準、思考、習慣、教養、宗教など様々な次元における適応を要求しますが、それらに適応できない場合、多くは身体的不調や精神的障害などのいわゆるカルチャー・ショックを引き起こします。異文化適応過程の研究においては、リスガード(S.Lysgaard 1955)のUカーブ仮説、ガラホーンら(Gullahorn & Gullahorn 1963)のWカーブ仮説がよく知られています。

参考文献

 石井敏・久米昭元・遠山淳・平井一弘・松本茂・御堂岡潔(1997)『異文化コミュニケーション・ハンドブック』215頁.有斐閣
 異文化間教育学会(2022)『異文化間教育事典』184-185頁.明石書店





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