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令和2年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(12)解説

令和2年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(12)解説

(12)条件節の意味

 条件文は文中にない情報を暗示することがあります。
 答えを見つけるポイントは、「逆」を考えてみること。

 1 明日にならなかったら雨もやまない(???)
 2 1000円出さなければ大丈夫じゃない
 3 乗らなければ早く着かない
 4 読まないなら分からない
 5 行かないなら迷うでしょう

 条件文「AならB」は「AでないならBではない」という暗示された意味(誘導推論)を表すことがあります。しかし選択肢1だけ暗示された意味があまり感じられません。なぜなら選択肢1の前件「明日になれば」は仮定性の弱い仮定条件(すなわち確定条件)であり、将来必ず実現することだからです。

 したがって答えは1です。

 




コメント

コメント一覧 (3件)

  • 私は確定条件、仮定条件ということが思い浮かばず、2番にしました。
    1,3,4,5は単純に条件だけど、2番は「最低条件の提示」(うまく言葉が見つかりません)
    のようなニュアンスを受けたのと、「と」に言い換えたとき、2だけ違和感を感じたからです。
    でもここはやはり、1でいいのではないでしょうか?
    過去問を見たとき、こういうケースでは「用法」「意味」という言葉を使っています。
    明らかに「意味」の違いを問うている時もあるのですが、例えば平成28年度の問題では(11)では
    【「~ぱなし」の意味】すぐあとの(12)は【「ことにする」の用法】とあり、「意味」と「用法」
    の使い分けにあまり区別を感じません。「ば」が仮定の意味なのか、確定の意味なのか、ということで、
    「意味」という言葉を使っているという解釈でいいと思います。
    ちなみにアルクさんの解答速報は1、アルファ国際学院さんの解答速報は3になってました。
    3は…どういう解釈なんでしょうね?

  • 従属節を取ってみました。
    1.雨もやむでしょう、 そうですか、
    2.大丈夫でしょう、  なにが?
    3.早く着くでしょう、 なにが?
    4.分るでしょう、   なにが?
    5.迷わないでしょう、 なにに?
    わたしには説明が付きませんが、なんとなく、

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