合成(composition)
合成(composition)とは、2つ以上の形態素を組み合わせることです。具体的には、「青」と「空」で「青空」、「春」と「めく」で「春めく」、「晴れ」と「晴れ」で「晴々」を作る造語の過程を指し、このように合成によって造られた語は合成語(complex words)と呼びます。合成は、合成される形態素がそれ単独で使えるかどうか、すなわち自由形態素と拘束形態素が合成語の語構成にどのようにかかわっているかによって複合と派生に分けられます。2つ以上の自由形態素を組み合わせた合成が複合、自由形態素に拘束形態素を組み合わせた合成が派生です。
(1) 青+空 → 青空 (複合:複合語)
(2) 春+めく → 春めく (派生:派生語)
(3) 晴れ+晴れ → 晴々 (複合:畳語)
例(1)は自由形態素「青」と「空」の合成なので複合、(2)は自由形態素「春」と拘束形態素「めく」の合成なので派生、(3)は自由形態素「晴れ」を反復したものであり複合に含まれますが、一般にこのように一つの自由形態素を繰り返したものは畳語と呼ばれます。
参考文献
国立国語研究所(1985)『語彙の研究と教育(下)』60-78頁.大蔵省印刷局
森山卓郎・渋谷勝己(2020)『明解日本語学辞典』69頁.三省堂
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