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2023.04.19 定義の話と検定料値上げの話

受身や受動態の定義の話

 受身文って何かと聞かれたら「動作や作用を受けるものを主語にする文」と答えてたんですが、これだと定義として不備があるってことに気づいた。

 (1) 私は先生に褒められた。   (動詞の受身形)
 (2) 私は先生に英語を教わった。 (受身的意味を持つ動詞)

 動作や作用を受けるものを主語にする文には次のようなものがあって、(1)は「褒める」の受身形、(2)は受身形じゃないのに受身的意味を持ってる動詞原形「もらう」。上の定義だと(2)も受身文ってなっちゃう。私たちが受身文って呼んでるのは普通動詞の受身形が述語に来てる文のことだから、もっとちょっとちゃんと定義するなら「動詞語幹に -(r)are がついていて、動作や作用を受けるものを主語にする文」って言わないといけない。そうすれば(2)は受身文の定義から除外できる。定義の学び直しは結構気づかされることがあって面白い。

相互態

 相互動作を表す動詞、例えば「結婚する」は、動作主を相手に、相手を動作主に変えたところで動詞の形態は変わらない。

 (3) 佐藤が 田中と 結婚する。
 (4) 田中が 佐藤と 結婚する。

 だから「結婚する」は態ではないってことは分かる。でも相互動作を表す動詞の中には態もあって、例えば「殴り合う」とかの複合動詞。

 (5) 佐藤が 田中を 殴る。
 (6) 佐藤が 田中と 殴り合う。

 動詞の形態が変わって格関係も変わってるからこれは態。いわゆる相互態と呼ばれるやつ。しっかし… 相互動詞の中には態になるやつもあるしならないやつもあるんだなあと気づきました。

音声と意味の結びつき

 音声と意味は1対1で結びついている、というソシュールの例のあれですが、音声と意味は直接結びついているんじゃなくて、音声と意味を結び付けるために統語構造の知識が要るっていう話。
 例えば「猫」という形はいわゆる猫と呼ばれる動物を指していて、音声(形)が意味と結びついています。でも「警察が血を流しながら走る犯人を追いかけた」のような文では全ての音の意味が分かっていても文全体の意味を1つに絞ることができない。「血を流しながら」という副詞節が警官を修飾しているのか、「走る」を修飾しているのか、その統語構造の知識があってこそ多義的に見える文なので、音声と意味は直接結びついているんではなく、統語構造の知識が介入して最終的な意味を、ってことなんですね。単語レベルなら統語構造の知識がいらないけど、たぶん単語以上のレベルになるとこれが要るのではないかと思いました。

検定料値上げ

 JEESを見たら今年の日本語教育能力検定試験の実施要項更新されてました。みると受験料17000円。まじかまた値上げしたか。2000円も。びっくりした。
 それから今年からインターネット受付になるって情報も。去年までは申込書類をネットとか本屋から取り寄せないといけないという前時代的なやり方だったから改善されてよかった。ネット受付のほうが人件費もかからないと思うんだけどなんで値上げしたんだろう。




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