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ナ形容詞とは?(形容動詞、第二形容詞)

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ナ形容詞(na-adjectives)

 主に事物の性質、状態、属性を表し、名詞や名詞句を修飾するときに名詞の前に「な」が現れる語ナ形容詞と呼びます。日本語学では形容動詞と呼ばれたり、第二形容詞と呼ぶこともあります。

 (1) きれい部屋
 (2) 静か場所
 (3) 不思議

 ナ形容詞は終止形で「きれいだ」、連体形で「きれいな」、連用形で「きれいに/きれいで」などの活用形が現れると考える場合、それは「きれいだ」で一つの語とする見方をとっています。これはナ形容詞を「自立語で活用のある用言の一種」とする学校文法における立場と一致し、ナ形容詞は語形変化する(活用する)語と捉えています。しかし、「きれい」と「だ」の二語に分けて分析する立場もあり、その場合は「きれい」をそれ自体語形変化しない語であるナ形容詞、「だ」を特定の活用形が必要な場合に現れる判定詞、もしくは助動詞と分析します。文法的な要請があった場合はナ形容詞ではなく、後続する判定詞が語形変化して対応すると考えるわけですが、ナ形容詞を語形変化しない語と捉える点は学校文法の「用言」の定義と相容れません。
 (以降は後者の立場でまとめます)

ナ形容詞は名詞に近い性質を持つ

 ナ形容詞はそれ自体が名詞として用いることができるものが多く、(4)~(6)のように格成分になることができます。同じく形容詞の下位分類として扱われるイ形容詞は通常格成分になれません。

 (4) 静かが一番だ。
 (5) 平和を望む。
 (6) 自由になる。

 名詞は「の」を介在させて名詞を修飾し、ナ形容詞は「な」を介在させて名詞を修飾する点で異なりますが、その点を除けば、ナ形容詞に後接する判定詞は名詞に後接する判定詞と同じ形をとります。

 (7)a 病気だろう <名詞>
    b 平和だろう <ナ形容詞>
 (8)a 病気だった <名詞>
    b 平和だった <ナ形容詞>
 (9)a 病気   <名詞>
    b 平和   <ナ形容詞>
 (10)a 病気なら  <名詞>
    b 平和なら  <ナ形容詞>

 ナ形容詞の中には名詞を修飾するときに名詞による名詞修飾と同様に「の」が現れるものがあり(11)~(13)、逆に名詞の中にも名詞を修飾するときにナ形容詞のそれと同じく「な」が現れるものもあります(14)~(16)。

 (11) 特別{な/の}和風ダレ  <ナ形容詞>
 (12) 普通{な/の}人     <ナ形容詞>
 (13) 最善{な/の}選択    <ナ形容詞>
 (14) 病気{な/の}人     <名詞>
 (15) 美人{な/の}彼女    <名詞>
 (16) 問題{な/の}行動    <名詞>

 加えて、「机」「テニス」「光」のような典型的な名詞は程度副詞で修飾できませんが、「病気」「美人」「問題」「大人」などの名詞は程度副詞で修飾でき、「とても病気」「とても美人」「とても問題」「とても大人」などということもできます。程度副詞で修飾できるのは形容詞の典型的な特徴です。これらの統語的特徴はナ形容詞と名詞が連続的な品詞であることを示します。よってナ形容詞は名詞に近い性質を持つ形容詞として位置づけられることがあります(八亀 2007: 55)。

参考文献

 上野義雄(2016)『現代日本語の文法構造 形態論編』229-254頁.早稲田大学出版部
 工藤真由美(2007)「調査と研究成果の概要」『日本語形容詞の文法-標準語研究を超えて-』3-51頁.ひつじ書房
 森山卓郎・渋谷勝己(2020)『明解日本語学辞典』54頁.三省堂
 八亀裕美(2007)「形容詞研究の現在」『日本語形容詞の文法-標準語研究を超えて-』53-77頁.ひつじ書房




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