日本語Q&A
質問者さん(中国)
管理人
名詞「すすめ」に「します」はつけられないし、サ変動詞語幹「おすすめ」に「たい」はつけられない

(1)a すすめる
b すすめ <「すすめる」のマス形>
c おすすめ <尊敬語・謙譲語Ⅰの「お」+すすめ>
d おすすめする <おすすめ+する>
自分が良いと思う物事を他人もするように言うことを「すすめる」という動詞で表します。この動詞のマス形は(1a)「すすめ」で、これ自体は「学問のすすめ」「節約生活のススメ」のように名詞として使えます。(1a)に「お」をつけた(1c)「おすすめ」もまた、「おすすめの食べ物」「本日のおすすめ」等と名詞としても使えますが、(1d)のようにサ変動詞「する」をつけて「おすすめする」と言えるので、名詞というよりはサ変動詞語幹です。
なので… 正しくは、「すすめる」のマス形を用いて「すすめます」「すすめたいです」と言うか、あるいは「おすすめする」のマス形を用いて「おすすめします」「おすすめしたいです」と言うかです。「すすめします」「おすすめたいです」は正しくないです。
(2)a ねだる
b ねだり <「ねだる」のマス形>
c おねだり <尊敬語・謙譲語Ⅰの「お」+ねだり>
d おねだりする <おねだり+する>
(3)a かわる
b かわり <「かわる」のマス形>
c おかわり <尊敬語・謙譲語Ⅰの「お」+かわり>
d おかわりする <おかわり+する>
「おねだりする」「おかわりする」等も「おすすめする」と同じように作られています。
「おすすめ」の「お」について
(4) 皆さんのおすすめを教えてください。 <尊敬語の「お」>
(5) 私のおすすめはレモンティーです。 <謙譲語Ⅰの「お」>
動詞「すすめる」のマス形「すすめ」につける「お」は尊敬語の場合もありますし、謙譲語Ⅰの場合もあります。例えば(4)の「すすめ」は話し手側の人物ではない「皆さん」の物事だから、尊敬語の「お」です。一方、(5)の「すすめ」は話し手から相手に向かう物事だから謙譲語Ⅰです。
「おすすめする」は謙譲語Ⅰの形式「お~する」をつけた表現か?
「おすすめする」は、動詞「すすめる」のマス形「すすめ」に謙譲語Ⅰの形式「お~する」をつけたものではないか? という見方も一応できますが、おそらくそれは誤りです。
(6)a 私がお持ちしましょうか?
b✕先生がお持ちしている荷物は何が入っていますか?
(7)a 私がお助けします。
b✕先生がお助けしてくれたおかげです。
「お~する」は話し手から相手側に向かう、話し手の行為を表す動詞につくのが規範的です。例えば(6a)(7a)の動詞「持つ」「助ける」が表す事態は話し手である「私」の行為であり、「お~する」を用ることでその行為が向かう先を立てて述べる謙譲語になっています。したがって、謙譲語Ⅰの形式「お~する」を使っていながら、話し手側ではない人物が動作の主体に立つ(6b)(7b)のような文は非文です。このことから、「お~する」の動作の主体は話し手側の人物に固定されることが分かります。
(8) 私がおすすめする料理は、たこ焼きです。
(9) 彼がおすすめした料理は、おいしかったです。
ところが「おすすめする」は、話し手が「すすめる」という動作の主体であっても(8)、話し手側ではない人物が動作の主体であっても使えます。したがって、「おすすめする」は「すすめる」に謙譲語Ⅰの形式「お~する」がついているわけではないということが分かります。

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