6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

スティグマとは?

スティグマ(stigma)

 スティグマ(stigma)とは、ある人が有する、その人が所属するカテゴリーの他の人々と異なっていることを示す望ましくない属性のことです。もともとスティグマは古代ギリシャ語で、奴隷、犯罪者、謀反を起こした人などの避けられるべき者たちを人々に知らしめるために、その者の肉体に刻みつけたり、焼きつけられた烙印のことです。スティグマは一般に、欠点、短所、ハンディキャップとも呼ばれます。

 アーヴィング・ゴッフマン(Erving Goffman 1963)はスティグマを3つの種類に分類しました。一つ目は肉体的な醜悪さ、二つ目は個人の性格上の欠点、三つ目は人種、民族、宗教などの集団的スティグマです。肉体が奇形であればそれが差別を受ける一つの要因になります。個人の性格の面においても、馬鹿真面目だったり、嘘つきだったり、あるいは犯罪歴がある、精神障害がある、アルコール中毒、性的マイノリティ、失業者だったりすると周囲から非友好的な反応をされる可能性があります。人種、民族、宗教についても同様です。このようにスティグマがある人は周囲から信頼をひどく失ったり、侮辱されたり、差別されたりします。

参考文献

 アーヴィング・ゴッフマン(著)・石黒毅(訳)(1980)『スティグマの社会学-烙印を押されたアイデンティティ』せりか書房
 ロイ・リチャード・グリンカー(著)・高橋洋(訳)(2022)『誰も正常ではない スティグマは作られ、作り変えられる』みすず書房




コメント

コメントする