日本語Q&A
質問者さん(中国)
しかしこの2つは違うような気がします。違いを教えてください。
管理人
「病気になる」は精神異常も外傷も使えますが、どちらかというと外傷のほうが使いやすいです。
「病む」の用法
「病む」は精神的な異常について使いやすいです。見えない心の傷、例えばとても落ち込んでいるとか、悩みがあるとかで精神的な負荷がかかり、ストレスとなって正常ではない状態になっているようなときです。次の(1)~(5)の例文では「病む」を用いていることで精神に異常が生じていることが分かります。
(1) 〇考え始めると病むから寝よう。
(2) 〇今日から11連勤なの考えると病む。
(3) 〇あたしのことで病んで欲しい。
(4) 〇病んだ時は運動するようにしてる。
(5) 〇病んでるので元気ください。
逆に、物理的に生じた傷、いわゆる外傷に対しては非常に使いにくいです。
(6) ✕マラソン大会で走り切ったけど、脚が病んで痛い。
(7) ✕薬品をこぼしてしまって、皮膚が病んでしまった。
(8) ✕彼は心臓が病んで死んでしまった。
「病気になる」の用法
「病気になる」は物理的に生じた外傷(体の組織の損傷)に使いやすいです。以下の(9)~(13)はいずれも外傷による身体的異常を表します。例えば(9)なら腰痛とか糖尿病とかが想定されます。
(9) 〇健康体だっていつ病気になるかわからない。
(10) 〇結局トイレ6時間行けなかった。病気になる前に辞めないとヤバいと思う。
(11) 〇喫煙が原因で 病気になる人もいるがならない人もいる。
(12) 〇病気になって手術が必要になった。
(13) 〇ストレスが一つの要因の病気になった。
「病気になる」は精神的な異常についても使えますが、使いにくいのもあります。(以下は私の内省)
(14) 〇考え始めると病気になるから寝よう。
(15) 〇今日から11連勤なの考えると病気になる。
(16) ?あたしのことで病気になって欲しい。
(17) ?病気になった時は運動するようにしてる。
(18) 〇病気になったので元気ください。
どうやら「病気になる」は外傷を含意する傾向があるみたい。
まとめ
病む | 病気になる | |
---|---|---|
外傷 | ✕ | 〇 |
精神異常 | 〇 | △ |
用例を調べてみた感じこのようになります。
「病気になる」は外傷でも精神異常でもどちらでも使える場合がありますが、精神異常の場合は不自然になる文もちらほらありました。そういう場合は「病む」を使うと自然に感じられます。
精神異常には「病む」を、外傷には「病気になる」を使うと間違いが少なくなって良いと思います。迷ったらそうしてください。
参考文献
なし
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