令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題14解説
問1 ピジン
異なる言語を話す者同士が意思疎通するため、お互いの言語の要素を組み合わせて作られた接触言語をピジン言語と言います。
選択肢1
臨時的に作られたばかりの言語だから語彙量も少なく、一つの語が多くの意味を持っています。
「意味範囲が狭い」が間違い。
選択肢2
生まれたばかりの言語だから文法は全く存在しないかというとそうでもなく、お互いの言語の文法を一部使って作るわけですから文法は多少あります。また語彙だけでなく身体動作とかでも意志疎通されます。これは間違い。
選択肢3
異なる言語を母語とする人があって、その二人の間に意思疎通できる既存の言語が無い場合、お互いの言語を組み合わせた言語を臨時的に作って意思疎通に使うことになります。だからその言語には当然母語話者はいません。またその二人の意思疎通の必要が無くなった場合はそのピジン言語は消滅します。この記述は正しいです。
選択肢4
文法も音声も体系化されてないので広い話題で会話は難しいです。
答えは3です。
問2 言語喪失
1 話者人口が少なかったら喪失されやすいので間違い。
2 使用機会が少なかったら喪失されやすいので間違い。
3 移住先の言語を習得したら母語は喪失されやすいので間違い。
4 社会的地位が高い場合はそのまま母語を使う可能性が高いので喪失されにくいです。
よって答えは4。
問3 国語醇化運動
これは知らなかった。でも「国語醇化運動」って調べたら韓国って出てくる!
答えは1です。
問4 言語消滅
選択肢1
「ユネスコが認定した,日本における危機言語・方言の分布図」を見てください。まずは北のアイヌ語、東京の下あたりの八丈語が消滅危機にあります。それから沖縄のほうに奄美、国頭、沖縄、宮古、八重山、与那国とあってこれらが琉球諸語。これも消滅危機にあります。この選択肢は正しいです。
選択肢2
100年以内に世界の言語の9割が消滅の危機にあると言われてます! 8割で多すぎと思った人、実は8割は少ないから間違いでした。
選択肢3
消滅の危機にあるかどうかをはかる基準については、ユネスコの消滅危機言語に関する専門家グループが「言語の体力測定」(Language Vitality and Endangerment )を発表しているそうです。詳しくは長くなりますのでこちらをご覧ください。そこにはたくさんの項目があり、もちろん話者人数もありますけどそれだけじゃないです。
→危機的な状況にある言語・方言の実態に関する調査研究事業 報告書
選択肢4
ヘブライ語(古典ヘブライ語)があります!
したがって答えは1です。
問5 琉球諸語
これも典拠を示すことはできないのでそのような記述があるならお願いします。
選択肢1
むしろ増えてる。
選択肢2
これが正しい記述。消滅危機にある言語の使用自体が減っています。
選択肢3
消滅危機にあることから継承が行われるようになっています。これは間違い。
選択肢4
何も方言で意思疎通する必要もなく、祖父母世代とは共通語でも意志疎通可能では?
答えは2です。
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