平成23年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題9解説
問1 シャドーイング
選択肢1
聞いたものを同時にできるだけ正確に書記再生するのはディクテーションです。
選択肢2
これがシャドーイング。テキストを見ずに音声を聞きながら、あまり間を空けないで言葉を繰り返していく練習法です。
選択肢3
これもディクテーションじゃないかと思います。
選択肢4
リピーティングです。言い終わった後に同じ内容をリピートすること。
答えは2です。
問2 「音読」と「黙読」
幼児・児童は、「音読」を先に身につけ、その後に「黙読」ができるようになるそうです。本当ですか? 参考文献が見つからないので保留しておきます。どなたか教えてください。
答えは1です。
問3 妥当性
ここでは妥当性、信頼性、客観性という指標が出てきてます。このうち妥当性とは、そのテストが測定しようとしていることをしっかり測定できているかどうかの度合いのことです。例えば、聴解問題なのに問題の指示が文章で書かれていてそれを読まないといけない場合、測定したい聴解力に加えて文章を読む読解力も必要になってしまいます。こういうテストは妥当性が低いです。
1 信頼性の記述
2 客観性の記述だろうと思います
3 意味不明
4 妥当性
答えは4です。
問4 相関係数
相関係数(単相関係数)とは、「2変数の関係の強さを表す指標」(山本・竹内 2013: 20)のことです。相関係数は -1 から 1 の間の数値で表され、-1以上0未満であれば負の相関、0より上で 1以下 であれば正の相関、0であれば相関がないとみなされます。具体的には、次のように横軸の値(x)が増加すると縦軸の値(y)も増加する関係は正の相関です。
1 これが相関係数の説明
2 相関係数は2変数間の相関関係は分かりますが、因果関係までは分かりません。
3 上述の通り、正しいです。
4 正しいです。外れ値があると係数と定数項が変わるので回帰直線の方程式が大きく変わります。
答えは2です。
《参考文献》
山本拓・竹内明香(2013)『入門 計量経済学 Excelによる実証分析へのガイド』20頁.新世社
問5 t検定
A先生とB先生の話によると、学期の初めと終わりに同じテストを実施するそう。学期初めのテストの結果と、いろいろ授業をした後に行った学期終わりのテストの結果の間に有意な差を見たいようです。こういうときは、まず二つの変数の散布図上のデータの散らばりを直線や曲線の方程式で表現し、変数間の関係を調べる回帰分析(単回帰分析)を行います。そうすると2変数間(学期初めのテストの結果と学期終わりのテストの結果)の関係を方程式で表せます。ただし、単回帰分析を行った後は得られた係数と定数項がどのくらい信頼できるかを検証する必要があって、さらに回帰係数の検定(t検定)をする必要があります。
下線部Eには「統計的に有意な差があるかどうかをみる」とありますが、これは回帰係数の検定、すなわちt検定を指しています。
答えは1です。
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