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令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題13解説

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令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題13解説

問1 ヤコブソンのやつ

 問題文で指示的機能や交話的機能という言葉が出てきてますが、これはヤコブソンが分類した言語の6機能を指しています。内容のボリュームがすごいのでここにはまとめきれません。詳しくは「ヤコブソンの言語の6機能について」をご覧ください。でもこの6機能の出題頻度はあまり高くないので覚えなくてもいいと思う。

 交話的機能(phatic function)とは、言語伝達の始まりや終わり、その延長をしたり、伝達の回路が通じているかどうかを確認したりする機能のことです。言語伝達の始まりを示す交話的機能を主として持つ表現として「こんにちは」「お疲れ様です」などがあります。終わりであれば「ではまた」など。伝達の回路が通じているかどうか確認するのは「もしもし」など。こうした表現が主として交話的機能を担っています。

 ヤコブソンによればどんな言葉でも6つの機能を含んでいて、どれか一つの機能しか含んでいない言葉を探すのは難しいそうです。だから4つの選択肢は全て交話的機能を含んでいると言ってもいいのですが、問題文には「主に交話的機能を担う」とありますので、最も交話的機能を担っているものを探します。

 選択肢1の「久しぶり」が言語伝達の始まりを示す交話的機能を担っています。
 これが答え。

 答えは1です。

問2 ラポート・トーク

 ラポートはフランス語で「橋を架ける」という意味があり、ラポート・トークは話し相手と共感し、信頼関係を築くような話し方のことです。女性がこうした話し方をする傾向があることで知られています。

選択肢1

 これはリポート・トークの記述。親しみを込めたような話し方をするラポート・トークの逆側にあるもので、ただ情報を伝えるような話し方のことです。リポート・トークは男性に多い傾向があります。

選択肢2

 これがラポート・トークの記述。「心理的つながりに重きを置く」がポイント。

選択肢3

 挨拶、定型表現、慣用表現などのことだと思われます。

選択肢4

 役割語の記述です。読み物の中の登場人物が一人称「わし」を使っていたら、その人が髭をたくわえたおじいさんのイメージが一瞬で出てくるはずです。そういうことを言ってます。

 よって答えは2です。

問3 発語内行為

 発話行為理論といえばオースティンのやつですね。いったんおさらいです。

 発話行為理論(言語行為論)とは、オースティン(J.L.Austin)によって提唱された、発話と発話意図が伝わるメカニズムに関する理論のことです。オースティンは、発話は発話行為、発話内行為、発話媒介行為の3種類の言語行為を遂行することだと考えました。

発語行為 意味のある言葉を口に出して言う行為そのもののこと。
「火事だ」と叫んだときの、発話そのものを指します。
発語内行為 その発話の機能によって相手に意図を伝えようとすること。
「火事だ」が持つ警告の機能によって「逃げろ」という意図を伝えようとする行為を指します。
発語媒介行為 発話内行為を媒介として、聞き手や第三者、自分の行動や気持ちに何らかの影響を及ぼす使役的行為のこと。
「火事だ」で警告の発話内行為を遂行し、それによって人々が逃げる行為を指します。

選択肢1

 「ラーメン食べたい」みたいに字義通りの意味で理解できる発話は字義的言語行為と呼びますので、そのことかなと思います。ちなみに「雲行きが怪しい」を気象として解釈すれば字義的言語行為ですけど、物事の状況や人生などの先行きとして解釈すればそれは非字義的言語行為になります。非字義的言語行為は言葉の裏側の意味を汲み取る必要があります。

選択肢2

 発話媒介行為の記述(聞き手に影響を及ぼす段階)

選択肢3

 発話行為(言葉を口にする段階)

選択肢4

 発話内行為の記述(聞き手に意味を伝える段階)

 したがって答えは4です。

問4 スピーチレベルシフト

 1つの場面で1人の話者が普通体から丁寧体、あるいは丁寧体から普通体へと切り替えて丁寧さの度合いを変化させることをスピーチレベルシフトと言います。
 スピーチレベルシフトは本当によく出題されますね。

 1 ???
 2 リペア(修復
 3 「丁寧度を切り替える」がスピーチレベルシフトのキーワード
 4 順番交替

 答えは3です。

問5 疑問文を用いたストラテジー

選択肢1

 「普通そんな言い方するか?」みたいな言い方を反語と言います。言葉そのものの意味とは反対の意味を強調して伝えたいときに使えるレトリックです。「普通そんな言い方をしないだろ」と言ってますので、非難の感じがめちゃくちゃ出てますね。これは正しい。

選択肢2

 その人が緊張していた可能性に気付いていない相手に対して「彼は緊張していたんじゃないか」と言うと、緊張していた可能性という情報を提供する機能があります。正しいです。

選択肢3

 「それは食えない」という主張が強めに表れています。これも正しい。

選択肢4

 これも反語。反対の意味「こんなこと誰にもできない」を伝えようとしています。反語なので非難の気持ちが表れます。
 情報要求しているわけではありません。

 したがって答えは4です。

 




コメント

コメント一覧 (2件)

  • いつも勉強するとき、お世話になっています。
    ブックマークもですし、ブラウザでも開きっぱなしです。

    問5の答えは、選択肢4ですよね?
    選択肢1に「これが答えです。」と書いてあります。

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